“軍艦”のような子乗せ電動自転車をファッショナブルに――パナとコンビが協業:製造マネジメントニュース(2/2 ページ)
パナソニック サイクルテックとコンビは子乗せ電動アシスト自転車関連事業で業務提携することに合意したと発表。両社は、子育て市場の変化への柔軟に対応するとともに、より付加価値の高い子乗せ電動アシスト自転車や周辺アクセサリー、Webサイトなども含むサービスの開発と提供を目指す。ファッショナブルな子乗せ電動アシスト自転車を実現したいという。
コンビはベビー用品や乳幼児向けおもちゃなどを開発・製造する国産メーカーである。ベビー関連としては、アパレル事業や育児環境支援事業にも取り組む。他、機能性食品や化粧品、ペット事業など現在のビジネスは多岐にわたっている。「赤ちゃんを育てることが楽しく幸せだと思える社会を作る」ことをブランドのビジョンとし「お母さんを支える、もうひとつの手」をブランド価値として掲げている。「『もう1つの手』というのは、製品であり、サービスである。あらゆる商品、サービスを駆使して、もう1つの手となり、育児をすることが不安もしくは苦痛にならない、育児を楽しくできるような環境づくりを目指す」とコンビ 社長 五嶋啓伸氏は説明した。
少子化が社会問題となり、統計的にも実際に出生数は右肩下がりで減少してきている。コンビではそのような市場背景を受け、「客のモノへの価値観や購入の思考をしっかり捉え、付加価値の高い製品作りで業績を伸ばそうと日々努力している」と五嶋氏は述べた。
提携に至った理由について、五嶋氏は「一番のポイントは、パナソニック サイクルテックの社長である片山氏が意思を持った経営をしているということ。われわれも同じ。経営そのものの、業務ものものが社会貢献事業という位置付けを持っている」と言う。両社の強みを生かし、生まれる前から通園までにおいて、強力な育児サポート体制を誕生させたいとしている。
子乗せ電動アシスト自転車における顧客ニーズについて、片山氏は「われわれの考える一番は、ファッショナブルな子乗せ電動アシスト自転車」と述べ、「コンビからは既に“すてきな電動自転車”の提案を受けている」という。また「安全をどう守るかも、(デザインと)両立しなければならない」とも補足した。
「自転車販売店では、子乗せ電動アシスト自転車が店内の真ん前にずらりとならんでいるが、まるで軍艦がいるような雰囲気。子どもを乗せる自転車にもかかわらず、真っ黒で大きい」(片山氏)。
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