自動運転時代のライティング技術、「次どっちに進む?」をアニメで表示:自動運転技術
三菱電機は路面へのライティングにより、クルマの進行方向やドアの開け閉めなどを分かりやすく示す「安心・安全ライティング」技術の進化について紹介した。
三菱電機は2018年2月8日、路面へのライティングにより、クルマの進行方向やドアの開け閉めなどを分かりやすく示す「安心・安全ライティング」技術の進化について紹介した。
三菱電機は2015年に「路面ライティング」のコンセプトを発表。2017年10月に量産可能な汎用部品での技術を確立し「安心・安全ライティング」技術として発表した※)。
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コンセプトは「自動車と周辺の歩行者のより緊密なコミュニケーションを実現することによる事故の低減」である。現在の国内の歩行者死亡事故の約6割が午後6時〜午前6時の夜間の時間帯に起こっている。そもそも歩行者にとって自動車の挙動が分かりにくい。さらに「将来的に自動運転車が普及することを考えた場合、現在は運転手が顔や手の動きで行動を示してコミュニケーションができていた部分が失われる可能性がある。ますます自動車の動きが分かりにくくなる。これらを解消するには自動車そのものが情報発信を行う必要がある」と三菱電機 デザイン研究所 産業システムデザイン部長の籠橋巧氏は述べている。
今回の新たな進化は次の3つの点である。1つ目がアニメーションの利用だ。籠橋氏は「従来は雪道などで照射された図形が分かりにくく、結果として進む方向などが分からない状況があった。しかしアニメーションとすることで明確に進む方向を示すことができる」と述べる。
2つ目が、車外センサーと連動した注意喚起である。運転者などが降車するためにドアを開けようとした場合、周辺に歩行者がいれば注意を喚起するライティング機能を追加した。
3つ目が実車搭載前にライティング表示図形の見え方を検証可能な設計ツールの用意である。ライティングの表示図形はクルマの種類や形状によって見え方なども異なる。これらを設計段階で簡単に調整できるようにするための独自ツールを用意し、実導入に近づけることを目指した。
これらの新たな開発については、既に自動車メーカー各社からのフィードバックを受けてのものであり「実用化に向けてさまざまな意見をもらいながら開発を進めている」と籠橋氏は述べている。さらに籠橋氏は「現在は路面へのライト照射による表示については、規制面でもグレーゾーンであり、有効な規制や、表示図形や方法の標準化など周辺環境の整備についても継続的に取り組んでいく」と語っている。
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