産業用機械メーカーがBIツール採用により、生産情報の現場改善を実施:製造IT導入事例
ウイングアーク1stは、東芝機械がスマートファクトリー向けプラットフォームを構築する上で、全社共通のBI基盤として同社のBIツール「MotionBoard」を採用したと発表した。
ウイングアーク1stは2018年1月18日、東芝機械がスマートファクトリーに対応する「IoT+mプラットフォーム」を自社工場で実証する上で、全社共通のBI基盤としてウイングアーク1stのBI(ビシネスインテリジェンス)ツール「MotionBoard」を採用したことを発表した。多様な生産情報の見える化を実現した。
東芝機械の材料加工事業部では、さまざまな部材を鋳造から仕上げ加工まで一貫生産しており、温度、湿度、振動、周波数、色などの多様なデータを集めて、リアルタイムでモニタリングしたり、分析を行っている。しかし、各データを個別のExcelで管理しているため、情報を横断的に見るのが困難だったり、状況変化への対応が遅れてしまうなどの課題があった。
これらの課題を解決するため、同社では個別のデータをダッシュボード上に集約し、直感的に操作・認識できるBI導入の必要性を認識。今回、すでに同社の経営情報可視化のために導入されていたことや、画面の完成度の高さなどの理由により、全社共通のBI基盤として、ウイングアーク1stのMotionBoardを採用した。
導入後は工場内の各機械、装置の稼働状況や、発生中のアラームなどがダッシュボード上に一覧で表示されるようになり、各ラインで発生している異常を素早く把握できるようになった。IoT(モノのインターネット)ダッシュボードとの連携で機械の停止時間を半分以下に削減。さらに、期間を指定したトレンドグラフを活用することで、時系列に基づいた長期的な傾向や事象を捉えることも可能になったとしている。
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