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“製造現場見える化ツール”にIoT対応機能を追加、リアルタイム性も製造ITニュース

ウイングアーク1stは主力のBIツールである情報活用ダッシュボード「MotionBoard」と集計・分析プラットフォーム「Dr.Sum EA」の新製品を発表した。IoT対応などを強化し製造業の「製造現場見える化」推進に向け提案を強化していく。

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 ウイングアーク1stは2016年3月30日、主力のBI(Business Intelligence)ツールである情報活用ダッシュボード「MotionBoard」と集計・分析プラットフォーム「Dr.Sum EA」の新製品を発表。新たにIoT(Internet of Things、モノのインターネット)への対応機能やリアルタイム性能などを強化し、製造業の「製造現場見える化」推進に向けた提案を強化していく。

 同社のBIツール群はExcelによる管理手法との連携が確保されている点などから、既存の管理手法を崩すことなく、高度な管理が行える点が評価を受けている。特にMotionBoardについては、専門知識を必要とせず直感的に使える操作性と、さまざまな要求に対応可能な柔軟性のある表現力、タブレットでいつでもどこでも情報を入手できる機動力などから製造業の「製造現場見える化」ニーズをつかんで成長してきた。ヤマハや富士ゼロックスマニュファクチャリングなど多くの製造業での導入実績を持っている(関連記事)。

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ウイングアーク1stの2015年度のBIツールの業種別導入実績 出典:ウイングアーク1st

IVIでも既に実証している「IoT Edition」

 新製品は、IoT(Internet of Things)データのリアルタイムによる可視化をはじめとした数々の新機能を搭載。「つながる工場」実現に向け「緩やかな標準」をベースに企業間連携を実現する団体「Industrial Value Chain Initiative(IVI)」でも既に実証を進めているとしている(関連記事)。

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ウイングアーク1st 代表取締役社長でCEOの内野弘幸氏

 同社代表取締役社長でCEO(最高経営責任者)の内野弘幸氏は「もともとIoTは数十年前からいわれている言葉だが、技術進化がありようやく使える段階に入った。われわれにとっても大きなチャンスだと捉えている一方で危機感も抱えている。われわれはもともとITは人のためにあるものだと考えている。IoTでより多くのデータが取得できるようになるが、データをサービスとして新たな価値を生み出せるような支援を進めていく」と述べている。

 具体的には、さまざまな機器などから発生するデータをリアルタイムに処理し、即座に可視化できる機能を追加。タイムリーな意思決定をサポートできるようにした。リアルタイム性については「1秒に1件の情報を取得するというような頻度でのリアルタイム性を実現する。製造現場ではもっと短い間隔で情報が生まれる場合も多いとは思うがBIとして分析することを考えればそこまでの粒度は必要ないと見ている。一方で一度に情報を共有できるデバイス数としては1画面で数千台程度、合計で数十万台のデバイス情報を表示することが可能だ」(同社)としている。さらにセンサー以外でも、新開発のスマホ用アプリ「IoT Agent」を利用すれば、手軽にスマホの各種センサー情報を収集可能であるという。

 用途としては、例えば、工場内の各機器、または販売先設備のセンサーデータをリアルタイムに可視化・モニタリングし、しきい値などのアラート設定により、設備の予防保全を行い、設備停止などの防止に活用できるとしている。

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電力モニタリングのMotionBoardによるアラート画面 出典:ウイングアーク1st

 一方、地図機能の強化なども行った。もともと同社のBIツールは地図表示機能の性能が高いことがポイントとなっていたが、今回は新たに訪問先の住所を複数指定して最も効率的に巡回できるルートを提示するルート検索の機能を搭載した他、特定の場所から指定した時間で到達できる範囲を算出する到達圏分析を実現。地図専門ソフトと比べてもそん色ないレベルで活用が可能となった。さらに、ExcelやPowerPoint形式に出力も可能とし、資料作成やデータの二次利用を行いやすくしている。

 同製品は、クラウドサービス「MotionBoard Cloud」としては2016年4月25日にアップデート。従来の2製品に加えて新たに「IoT Edition」の提供を開始する。利用料金は月額9万円(10ID、税別)としている。パッケージ製品の「MotionBoard Ver.5.6」は、同年5月16日より発売します。価格は、100万円(5ユーザー、税別)。一方で集計・分析プラットフォームの最新版「Dr.Sum EA Ver.4.2」も同年4月21日に発売。IT部門による利用状況のモニタリングやメンテナンスを容易にする新機能と、業務現場のデータ活用を快適にするレポーティング機能を強化している。

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