知見やノウハウを結集するデータ解析基盤の運用を開始:製造IT導入事例
新日鉄住金ソリューションズは、同社の統合データ解析環境「Data Veraci@absonne」と機械学習プラットフォーム「DataRobot」を新日鐵住金に導入し、運用を開始した。
新日鉄住金ソリューションズ(NSSOL)は2017年12月8日、同社の統合データ解析環境「Data Veraci(ダータヴェラーチ)@absonne(アブソンヌ)」および機械学習プラットフォーム「DataRobot」を新日鐵住金に導入し、本番環境での運用を開始した。
国内最大手の鉄鋼メーカー新日鐵住金は、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)を活用した生産性向上、品質改善に積極的に取り組むことを目的として、2016年4月に「高度IT活用推進室」を発足させた。
従来は製鉄所ごとに別々のツールでデータを解析していたため、ノウハウの共有が難しかった。新日鐵住金では、全社に散らばる高度な知見を組織として有効活用するには、全社を横断するデータ解析基盤が必要だと考えた。また、そのような基盤は、熟練工が持つノウハウの形式知化や、幅広い層の技術者に高度な解析手法を提供するのに有益だと判断した。
そこで、全社を横断するデータ解析基盤として、2016年にNSSOLのクラウドベース統合データ解析環境Data Veraciの利用を開始。その後3カ月間、NSSOLはDataRobotの試験運用および本活用を支援した。
この新たなデータ解析基盤を活用することで、新日鐵住金では、設備異常の要因を推定するといった予兆保全の向上や異常発生の予測などで成果を上げ、研究所と各製鉄所間でデータ解析結果が共有できるようになった。また、DataRobotによって解析時間が短縮し、複数の予測モデルに基づく多角的な分析が可能になった。さらに、設備稼働データ解析を得意とする新日鐵住金の技術者と、幅広い解析手法に精通するNSSOLのデータサイエンティストの協働により、高度なデータ解析でも成果が出ているという。
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