IoT時代でも変わらない組み込みソフトの課題とは、革ジャンおじさんと初遭遇:組み込み開発 年間ランキング2017(2/2 ページ)
2017年に公開したMONOist組み込み開発フォーラムの記事をランキング形式で振り返る。1位に輝いたのは、ついに第100回を突破したあの連載コラムだった。
エネルギッシュ革ジャンおじさんに初遭遇
ベスト3に入らなかった中から、(編集担当にとって)興味深い記事を2本紹介しましょう。
1本目は、第5位に入った『芽吹くか「組み込みAI」』です。
2017年から始まった「MONOist新年展望」の1本で、組み込み機器にAIを実装するための技術開発が一気に加速すると予想しました。
個人的にではありますが「組み込みAI」は、この1年間で一気に重要度が増したイメージを持っています。搭載するプロセッサがマイコンレベルであれ、スマートフォンと同等レベルであれ、IoTデバイスでデータの取捨選択を行うエッジコンピューティングのためのインテリジェンスが求められる流れは今後も加速するのではないでしょうか。
2本目は、ついに間近で見ることになった革ジャンおじさんことNVIDIAのCEO、ジェンスン・フアン(Jensen Huang)氏による「GTC Japan 2017」の基調講演を取り上げた「NVIDIAのCEOが日本のAI活用に期待、コマツとの協業で自律運転マシンが建設現場へ」です。
NVIDIAは、第3次といわれる現在のAIブームの立役者と言いわれています。実際に、AI開発に必要な機械学習や深層学習(ディープラーニング)は、NVIDIAのGPUや関連ツールなしでは立ち行きません。
今まさに乗りに乗っているNVIDIAのフアン氏は、「CES」などで講演する際にも黒の革ジャンを着ていることで知られています(かつてはポロシャツやジャンパーだったことも)。そして講演内容もとてもエネルギッシュ。
「GTC Japan 2017」の講演は、日本で行われるにもかかわらず同時通訳がなく、フアン氏の話す内容の抄訳がスクリーンの両脇に表示されるというもの。しかし、フアン氏の英語が分かりやすく、メッセージ性が強いこともあってか、変に同時通訳が入るよりも参加者の盛り上がりは高かったと思います。
2018年も、こういうエネルギッシュおじさんに注目したいと思います。
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