ニュース
AI解析エンジンを米航空機大手の衛星・宇宙航空分野に活用:製造IT導入事例
NECは、同社のAI技術であるインバリアント分析技術を、米ロッキード・マーティンの衛星・宇宙航空分野に活用する。AIによって、宇宙環境や機器性能の変化を迅速に把握することで、運用者は製品の性能やライフサイクル効率を改善できる。
NECは2017年12月14日、同社のAI技術であるインバリアント分析技術を、米ロッキード・マーティンの衛星・宇宙航空分野に活用すると発表した。
インバリアント分析技術は、NECのAI技術群「NEC the WISE」を構成する分析技術の1つ。コンピュータシステムの他、発電所、工場、ビルなどに設置された多数のセンサーから収集されるデータにより、通常稼働状態のデータのモデルを自動で作成する。これを実際のデータとリアルタイムで比較することで、異常(いつもと違う状態)を予兆段階で検出し、早期対処を可能にする。
NECでは、同社のAIとロッキード・マーティンの宇宙分野での専門的な知見とが組み合わさることで、衛星や宇宙船の運用に独自の分析を組み込む新たな機会が生まれるとする。宇宙の気候が電子機器に与える影響など、宇宙環境や機器性能の変化を迅速に把握することで、運用者は製品の性能やライフサイクル効率を改善できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 民間初の宇宙到達を目指すロケット「MOMO」、その挑戦の意義を探る
インターステラテクノロジズ(IST)は、観測ロケット「MOMO」の打ち上げを2017年7月29日に実施する。実業家の堀江貴文氏が創業に関わっているためホリエモンロケットと呼ばれることも多いISTのロケットだが、今回のMOMOの挑戦は、日本の宇宙開発にとって大きな一歩になるかもしれない。 - MBSEは自動車業界と航空宇宙業界の切磋琢磨で進化する
複雑化する製品の設計開発をより効率的に行える手法として注目されているモデルベースシステムズエンジニアリング(MBSE)だが、その導入で先行してきたのが航空宇宙業界だ。現在MBSEの導入を始めつつある自動車業界は後発になる。しかし今後は、自動車業界と航空宇宙業界、双方の知見の融合のよってMBSEが進化していくことになりそうだ。 - 山形から宇宙へ、宇宙市場で4.5倍成長を狙うOKIサーキットテクノロジー
国際的な宇宙ビジネス拡大を目指す法令の整備などが進む中、部品業界でも航空・宇宙領域がにわかに脚光を浴びている。その中で早期から航空・宇宙領域での実績を積み上げてきたのが、山形県鶴岡市のOKIサーキットテクノロジーである。 - はやぶさ2、宇宙へ これまでの軌跡とこれからの予定
天体からの試料採集と地球帰還というミッションを持った、小惑星探査機「はやぶさ2」が無事、打ち上げられた。これまでの軌跡と、これからの予定を紹介する。 - 世界を変えるAI技術「ディープラーニング」が製造業にもたらすインパクト
人工知能やディープラーニングといった言葉が注目を集めていますが、それはITの世界だけにとどまるものではなく、製造業においても導入・検討されています。製造業にとって人工知能やディープラーニングがどのようなインパクトをもたらすか、解説します。 - 人工知能は製造現場でどう役に立つのか
人間の知的活動を代替するといわれる人工知能が大きな注目を集めている。ただ、製造現場で「使える」人工知能は、一般的に言われているような大規模演算が必要なものではない。「使える人工知能」に向けていち早く実現へと踏み出しているファナックとPFNの取り組みを紹介する。