アルパインとコニカミノルタ、車載用3D AR HUDを2021年に量産:車載情報機器
アルパインとコニカミノルタは、AR(拡張現実)技術を応用したヘッドアップディスプレイ(HUD)の共同開発を行う。2017年1月にコニカミノルタが発表した車載用3D ARヘッドアップディスプレイの技術を高性能化し、2021年度の量産化を目指す。
アルパインとコニカミノルタは2017年11月16日、3D AR(拡張現実)技術を車載用ヘッドアップディスプレイ(HUD)に応用していくことを目的とした共同開発を開始したと発表した。コニカミノルタが世界初とする3D ARヘッドアップディスプレイの技術を活用し、2021年度の量産を目指す。
コニカミノルタが開発した車載用3D ARヘッドアップディスプレイの技術は、フロントガラスに安全運転をサポートするためのさまざまな画像情報を表示するもので、ピント位置が近距離から遠距離までの奥行きを持った任意の位置に同時に幾重にも重ねて表示できる。
光学技術や精密加工技術、機能材料、画像処理といったコニカミノルタの3D AR技術と、アルパインの車載向け製品開発技術、HMI(ヒューマンマシンインタフェース)の技術を組み合わせ、高性能な3D ARヘッドアップディスプレイの開発を推進する。
3D AR技術の活用により、歩行者や障害物などセンシングされた距離の異なる複数の対象物の情報を、それぞれの位置(遠近方向のピント位置)に同時に重ね、ずれが無く表示できる他、運転速度やドライバーの視線の変化に応じて必要な情報を適切な距離に表示することが可能だ。
コニカミノルタは2017年1月に3D ARヘッドアップディスプレイを発表。車両の走行速度に合わせて速度を示すメーターの表示位置を変える技術や、視点を動かしてもAR表示を重ねて表示するARヘッドアップディスプレイの試作品も既に完成している。
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