ウェアラブル機器の生体センシング、臨床レベルの精度と小型省電力の要求高まる:医療機器ニュース
Maxim Integrated Products(マキシム)は、ヘルスケア用途のウェアラブル機器向けに心拍数や脈拍、呼吸数を測定するセンサーの新製品「MAX86140/MAX86141」「MAX30001」を発表した。
Maxim Integrated Products(マキシム)は2017年11月22日、ヘルスケア用途のウェアラブル機器向けに心拍数や脈拍、呼吸数を測定するセンサーの新製品「MAX86140/MAX86141」「MAX30001」を発表した。小型かつ低消費電力で高精度なバイタルサインの測定を実現する。
「健康維持による病気の予防や、遠隔地の医師による診断を実現するため、臨床用として十分な精度があり、日常的にストレスなく身に着けることができるウェアラブル機器の需要が高まっていく」とマキシム インダストリアル&ヘルスケア製品事業部 エグゼクティブディレクターのアンドリュー・ベイカー(Andrew Baker)氏が説明した。
MAX86140/MAX86141は、手首や指、耳でのPPG(光電容積脈波)信号の測定に対応しており、心拍数や心拍の変動、血中酸素濃度を検出できる。必要な電力を従来より半減する他、サイズを3分の1に小型化した。
MAX30001は胸部や手首で心電図、生体インピーダンスを測定する。従来の半分に小型化することにより身に着けた時の快適さを実現。心臓の拍動ごとのデータを収集することで、不整脈など重要な症状が最初に始まった時点でユーザーが認識できるようにする。また、MAX30001は臨床グレードの心電図の国際規格「IEC60601-2-47」に適合している。
健康維持は身体のモニタリングから
ベイカー氏は、「増加する医療コストの抑制に向けて、予防のために事前の対応を重要視する方向に人々の考え方が変わり始めている。何かあった時にすぐに対応するために、健康状態を監視する必要がある。慢性疾患を監視するためのデバイスは既にあるが、予防のためのデバイスが重要になる」とコメントした。
国外の専門家に継続的な診断や経過観察をしてもらうための遠隔監視でも、ウェアラブル機器の需要が高まる見込みだ。「2016年度は700万人がウェアラブルな遠隔監視を利用した。年48%の増加が見込まれ、2021年には5020万人がウェアラブルデバイスで遠隔地から健康状態モニタリングするだろう。専門家が日本にいなければ、サンフランシスコの専門家に見てもらい、病気を診断してもらうことも可能になる」(ベイカー氏)。
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