1024Hzの高速サンプリングに対応した光学式脈波センサーを開発:医療機器ニュース
ロームは、ウェアラブル機器向けに、ストレス測定や血管年齢測定に対応したハイスピード光学式脈波センサー「BH1792GLC」を開発した。1024Hzの高速サンプリングに対応し、バイタルセンシングをサポートする。
ロームは2017年10月11日、ウェアラブル機器向けに、ストレス測定や血管年齢測定に対応したハイスピード光学式脈波センサー「BH1792GLC」を開発したと発表した。1024Hzの高速サンプリングに対応し、バイタルセンシングをサポートする。現在サンプルを出荷中で、同年12月から月産50万個体制で量産を開始する。サンプル価格は700円/個(税別)となる。
BH1792GLCは、消費電流0.44mA(脈拍数測定時)の低消費電力を達成。アプリケーションの長時間駆動に貢献する。また、1024Hzの高速サンプリング化により、ストレスや血管年齢の測定など複雑なバイタルサインの測定に対応。従来品と比較して最大で32倍早く脈波を測定可能になった。
受光部には、赤外線カットフィルターとGreenフィルターを形成し、緑色波長のみを透過する同社独自の光学フィルターを搭載。これにより、赤外線や赤色光などの外乱ノイズの影響を一般品比の10分の1以下に低減し、スポーツなどの激しい動きや太陽光などの赤外線が強い環境下でも、脈波を高精度で測定する。
サンプル出荷に合わせ、汎用(はんよう)マイコンボード「Arduino Uno」に接続可能なセンサーシールド用の脈波センサー評価ボード「BH1792GLC-EVK-001」も発売。迅速な導入を支援する。
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