生産現場のデータ活用を促進するエッジコンピューティング製品群を開発:FAニュース
三菱電機は、FA-IT統合ソリューション「e-F@ctory」に対応するエッジコンピューティング製品群を開発する。データ収集から分析、リアルタイム診断による予防保全や品質向上など、生産現場の改善につなげる。
三菱電機は2017年11月7日、同社が提唱するFA-IT統合ソリューション「e-F@ctory(イーファクトリー)」に対応するエッジコンピューティング製品群を開発すると発表した。同年11月29日〜12月1日に東京ビッグサイトで開催される、オートメーションと計測の先端技術総合展「システムコントロールフェア」に参考出展し、2018年春の発売を予定している。
開発するのは、データ分析・診断ソフトウェア「リアルタイムデータアナライザ」、SCADAソフトウェア「MC Works64 エッジコンピューティングエディション」、産業用PC「MELIPC」シリーズ。エッジコンピューティング領域のオープンソフトウェアプラットフォーム「Edgecross」に対応する。これらを活用することで、データ収集から分析、リアルタイム診断による予防保全や品質向上など、生産現場の改善につなげる。
リアルタイムデータアナライザは、稼働中の生産システムでのリアルタイム診断が可能になる。同社のAI技術「Maisart」の類似波形認識機能により、センサー波形などのデータを学習・認識し、リアルタイム診断時の異常兆候の検知精度が向上した。データ分析にMT法や重回帰分析などの統計手法を活用しており、生産現場の予防保全や品質向上に貢献する。
MC Works64 エッジコンピューティングエディションは、センサー波形など多様なデータの監視とモニタリングが可能で、3D表示などの高度なビジュアライズやWebブラウザ、モバイル機器による遠隔監視に対応する。エッジコンピューティング用に機能を選定したシンプルな構成で、使いやすさを考慮した。
MELIPCシリーズは、高性能プロセッサや高速通信が可能な「CC-Link IE」に対応したハイエンド機種から、シンプルで小型のローレンジ機種まで幅広く対応。今後は駆動制御用途などのラインアップ拡充を予定している。
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