提携によりエッジデバイスのAIパフォーマンスが20倍以上に:人工知能ニュース
米CEVAとイスラエルのBroadmann17は、パートナーシップを締結した。CEVA-XMプラットフォームとBrodmann17のディープラーニング技術を組み合わせることで、エッジデバイスにおけるディープラーニングパフォーマンスと電力効率が向上する。
米CEVAは2017年10月18日(現地時間)、イスラエルのBroadmann17とパートナーシップを締結したと発表した。ディープラーニングによるコンピュータビジョンをより広範な分野へ普及、促進することを目的としている。
今回の提携により、CEVA-XMイメージ&ビジョンプラットフォームとBrodmann17のディープラーニング技術を組み合わせることで、エッジデバイスのAI(人工知能)のパフォーマンス向上を図る。CEVA-XMプラットフォームのライセンス保持者とそのユーザーは、CEVA-XM上で100fpsのフレームレートで最高レベルの精度を発揮するBrodmann17のディープラーニング・オブジェクト検出能力を使用できるようになる。
これは、NVIDIA Jetson TX2上で稼働する同一ソフトに比べ、パフォーマンスが170%優れていることを示す。また、NVIDIA TX2とFaster-RCNNアルゴリズムという代表的な組み合わせと比較しても、フレームレートでパフォーマンスが20倍(2000%)に向上するという。
現在主流のGPUベースの場合と比べ、エッジデバイスにおけるディープラーニングのパフォーマンスと電力効率が向上するため、スマートフォンやドローン、自動車、監視カメラなどで低消費電力のディープラーニングビジョンが構築可能になるとしている。
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