Googleの機械学習を組み込み機器に展開、CEVAの第2世代ニューラルネットワーク
CEVAがマシンラーニング向けフレームワーク「CDNN」の第2世代製品「CDNN2」を発表した。ADASや監視カメラ、ドローン、ロボットなどでGoogleの「TensorFlow」を利用できる。
CEVAは2016年6月27日、ニューラルネットワーク ソフトウェアフレームワーク「CDNN」の第2世代(以下、CDNN2)を発表した。Googleのマシンラーニングライブラリ「TensorFlow」に対応した他、ネットワークトポロジーを最新のものとしレイヤーに関するパフォーマンスも向上させた。また、この他にも、GoogLeNetやVGG、SegNET、Alexnet、ResNetなど大規模学習済みネットワークを組み込み機器に実装できるようにした。
CDNN2は、物体検知や先進運転支援システム(ADAS)、人工知能、映像解析、拡張現実(AR)、仮想現実(VR)などさまざまなコンピュータビジョンアプリケーションでの利用を想定している。第1世代であるCDNNを基盤に開発した。今回はTensorFlowに対応するとともに、最新のネットワークトポロジーとレイヤーに関する機能を搭載してパフォーマンスを向上した。また、完全な畳み込みニューラルネットワークにも対応し、さまざまな種類のネットワーク上で幅広い入力解像度で実行できるようにした。
CDNN2により、ディープラーニングを用いた映像分析を組み込みでリアルタイムに実行することが可能になるという。これにより、サーバで画像処理を行うクラウド解析と比較して、データ帯域とストレージを大幅に低減するとしている。また、応答時間やセキュリティの改善にもつながる。
さらに、CDNN2と同社の画像処理プロセッサ「CEVA-XM4」と組み合わせることにより、ADASやスマートフォン、監視カメラ、ドローン、ロボットの他カメラを使用するスマート機器などに組み込みで機械学習を実装するための開発期間を短縮し、消費電力の低減も図れるとしている。
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