「コンパクトな人工知能」実現へ、組み込み機器でディープラーニング
三菱電機がディープラーニングを組み込み機器単体でも実用可能なものとする手法を開発。自動車や産業用ロボット、監視カメラなどへの「人工知能」搭載を進める。
ディープラーニングを組み込み機器に――。三菱電機がディープラーニングの演算量を減らして組み込み機器単体でも実用なものとする手法を開発、2017年以降をめどに製品化する。自動車や産業用ロボット、監視カメラなどへの「人工知能」搭載を進める。
一般にディープラーニングと呼ばれる機械学習アルゴリズムは高度な推論を可能とするがその実現には多層ネットワーク構造が必要であり、実行には高い演算能力とメモリが欠かせないとされる(関連記事 SYSTEM DESIGN JOURNAL:畳み込みニューラルネットワークの使い方、分かりますか?)
三菱電機の開発した手法は、処理対象となるデータを多層ネットワークへ渡す前に組み込み機器側(ネットワークのエッジ側)にて類型化による効率化を行い、全体としての演算量と使用メモリ量を削減する。組み込み機器側での処理はソフトウェア処理で完結し、処理能力としてはCortex-A7クラスを想定する。この手法では、推論精度を維持したまま演算量と使用メモリを同社比約90%削減できるとしている。
従来手法のようにサーバ側に全てのデータを渡すことなく推論処理を行えることから、比較的低い設備価格と高いセキュリティレベルが実現でき、また、実装しているアルゴリズムの性質上、処理すべきセンサーデータ量が多い場合により効果を発揮する(計算時間を短縮できる)ため、自動車運転の支援などリアルタイム性を求められる処理にも適用できる。
同社では自動車に搭載しての運転支援やFA機器に搭載しての故障診断や予防保全、監視カメラに搭載しての人物属性/行動認識などに本技術を利用することで、「コンパクトな人工知能」を実現することができるとしている。
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