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画像認識は「機械学習との連携」「検出精度の向上」がテーマET2015(1/2 ページ)

ET2015に展示されていた画像認識ソリューションは、セキュリティや製造業における部品検査での活用が主流。リアルタイムに車載カメラの映像から物体を検知するデモも複数あった。

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 2015年11月18日(水)〜20日(金)に開催された「組込み総合技術展 Embedded Technology 2015(以下、ET2015)」においては、画像認識、画像検出に関する技術の展示も目立った。

 近年、製造業やセキュリティの分野で活用が進められている産業用マシンビジョンに関しては、従来人間が行っていた部品検査や入退室管理を自動化する方向性の技術やソリューションが多く提案されていた他、機械学習と組み合わせて自動運転車のシステム開発に役立てる形での展示も見られ、数は少なかったものの、組み込み向けの小型モジュールを展示しているブースもあった。

 ここでは、画像認識および画像検出に関連した展示を中心に、出展各社の展示内容を紹介する。

画像処理をディープラーニングで加速

 人間の脳の働きを模したニューラルネットワークなどによって入力データの高度な認識を試みるディープラーニングは、動画、音声、文章などのサンプルデータを大量に読み込ませて規則性を抽出し、特徴を自動的に学習して機械の認識能力を高める技術だ。

 ET2015においても、ディープラーニング関連の展示は幾つか見られた。とりわけ、車載システムから得られた動画の解析と認識結果を見せる形の展示が多く、ハードウェアのソリューションとしてはシノプシスがCNN(Convolutional Neural Netowork:畳み込みニューラルネットワーク)を搭載した実行環境としてのプロセッサを展示していた。

シノプシスのCNN搭載画像認識向けプロセッサIPのデモ
シノプシスのCNN搭載画像認識向けプロセッサIPのデモ

 この他、ARMブース内のイーソルコーナーでは、同社が国内営業協力を行っているUncanny Vision(印)のディープラーニング画像認識ライブラリ「Uncanny DL」のデモを実施しており、ここでは自動運転車の対象認識に関わる映像資料展示と、組み込み用途向けに組んだモジュールのデモが行なわれていた。

ディープラーニング画像認識ライブラリ「Uncanny DL」の組み込み向けデモ
ディープラーニング画像認識ライブラリ「Uncanny DL」の組み込み向けデモ環境。SECOのUDOOボードにCortex-A9 MPCore(4コア)が載っている。OSにはLinuxを採用した

 デモ内容は、スマートフォンで撮影した映像の特徴を自動的に抽出し、識別結果をモニターに出力するもの。ARMのNEON命令に最適化させたアルゴリズムを用いることで、クラウドなどの外部処理を用いないスタンドアロン環境での、高速なリアルタイム処理が可能としている。

 車載システムにおいてコンピュータビジョンが認識している映像の要素は、車線と走行中の車両、歩行者、障害になりうる周囲の物体形状、(画面上における)認識対象の移動方向だ。

 自動運転車ではこれらの“視覚情報”から、曲がるタイミングかどうか、あるいは止まるべきかどうかをリアルタイムに判断する。初めて走る道でも安全に走れるようにすることを目的とすることから、将来的には信号や標識の内容など、認識できる対象を増やすことも目標としているという。

UncannyUncanny Uncanny DLで機械学習させた認識対象が表示されている(写真=左)、画面上で認識対象が進む方向を矢印で表現している(写真=右)
UncannyUncanny 認識対象の特徴から差異(disparity)を抽出して、道路、障害物、人間を区別している(写真=左)、路上のラインからレーンを認識する(写真=右)
UncannyUncanny 標識の形状と歩行者をリアルタイムに検知している(写真=左)、顔認識(写真=右)

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