イメージングおよびビジョン・プラットフォームのライセンス供与:組み込み採用事例
米CEVAは、米ON Semiconductorの自動車先進運転支援システム製品ライン向けに、イメージングおよびビジョン・プラットフォームのライセンスを供与した。ON Semiconductorは、視覚処理IPを活用して先進運転支援システム製品を強化する。
米CEVAは2017年1月4日(現地時間)、米ON Semiconductorの自動車先進運転支援システム(ADAS)製品ライン向けに、イメージングおよびビジョン・プラットフォームのライセンスを供与したと発表した。ON SemiconductorはCEVAの視覚処理IPを活用して新しい画像処理能力でADAS製品を強化するとともに、組み込みインテリジェンスと機械学習をADASロードマップに取り入れる。
CEVAのイメージングおよびビジョン・プラットフォームは、画像解析、拡張現実、ADASといった高度なコンピュータ・ビジョンと、深層学習のアプリケーションに求められる高い計算能力を備えている。これらを活用することで、システム全体の消費電力の削減が可能になるという。
また、DSPプロセッサのXM DSPの機能を活用してソフトウェア実装を効率化するApplication Development Kit(ADK)も提供する。ADKには、ソフトウェア・レベルでホスト・プロセッサとシームレスに統合するCEVA-Link、ソフトウェア・アルゴリズム、CEVA Deep Neural Network、最新鋭の開発ツール、デバッグ・ツールなどが含まれる。これにより先進運転支援システムの開発者は、ISO 26262に準拠したCEVAビジョン・プロセッサ向けの安全設計パッケージを利用できる。
計算集約型のイメージングと機械学習には、低光度での処理の改善、アクティブ・セーフティ・システムの正確性と性能を支えるより強力なディープ・ニューラル・ネットワークの実行能力など、効率的な視覚処理が求められる。ON Semiconductorは、こうした動向からADAS製品を強化するため、CEVAのイメージングとビジョン・プラットフォームを選択した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 運転支援システムの開発、ASICにする? FPGAにする?
FPGA大手のザイリンクスが記者向けに勉強会を実施し、先進運転支援システム(ADAS)でFPGAを使うメリットを解説した。車両や歩行者、白線などを認識する処理は、FPGAの得意分野だという。コストや性能の面からも、FPGAはADASで強みを発揮しそうだ。 - ミリ波レーダーSiGeチップ2社が大手ティア1サプライヤと連携、ADASをより安価に
自動車の先進運転支援システム(ADAS)のセンサーの1つに、77GHzの周波数帯を用いるミリ波レーダーがある。この77GHz帯ミリ波レーダーの低価格化をけん引する、SiGe(シリコンゲルマニウム)プロセスを用いた送受信ICを手掛ける半導体メーカー2社が、それぞれ大手ティア1サプライヤと連携して、さらなる普及を目指そうとしている。 - パナソニックが子会社の車載モジュール事業を本体に吸収、ADAS提案力を強化
パナソニックは、半導体事業を分社化した連結子会社から車載モジュール事業を吸収分割すると発表した。パナソニック本体で、デバイスからシステムまで一貫して開発することにより先進運転支援システム(ADAS)分野での競争力を高めたい考え。 - 富士通テンがデンソーの傘下に、ADASと自動運転技術の開発力を強化へ
デンソー、富士通、トヨタ自動車は、先進運転支援システム(ADAS)や自動運転技術、電子基盤技術の開発力を強化するため、3社が出資する富士通テンの資本構成の変更を検討することで基本合意した。富士通テンの出資比率は、デンソー51%、トヨタ自動車35%、富士通14%となり、富士通テンの親会社は富士通からデンソーに変わる見込みだ。 - 組織体制もISO26262対応済みのジェイテクト、ADAS時代の機能安全は「冗長設計」
MONOistオートモーティブフォーラム主催のセミナー「IoT時代の自動車に求められるISO 26262と車載セキュリティ」の特別講演に、電動パワーステアリング大手のジェイテクトでシステム開発部 部長を務める賀治宏亮氏が登壇。本稿では賀治氏の講演を中心に、同セミナーのリポートをお送りする。