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パナソニックが子会社の車載モジュール事業を本体に吸収、ADAS提案力を強化:車載半導体
パナソニックは、半導体事業を分社化した連結子会社から車載モジュール事業を吸収分割すると発表した。パナソニック本体で、デバイスからシステムまで一貫して開発することにより先進運転支援システム(ADAS)分野での競争力を高めたい考え。
パナソニックは2015年11月27日、連結子会社のパナソニック セミコンダクターソリューションズ(PSCS)の車載モジュール事業を、パナソニック本体に吸収分割すると発表した。2016年4月1日から、PSCSの車載カメラモジュールなどの事業を、パナソニックの車載エレクトロニクス事業部に承継して一元的に運営する。デバイスからシステムまで一貫して開発し、カメラやソナーといったセンサーを車両に複数搭載する先進運転支援システム(ADAS)の需要拡大に対応していく。
PSCSの車載モジュール事業は、2015年3月期(PSCSが発足した2014年6月〜2015年3月までの10カ月が対象)の売上高が207億円だった。PSCSの売上高1217億円の17%を占める。
ADAS向けでは、車載用LEDランプやヘッドアップディスプレイ、バックモニター用カメラなど向けに半導体やモジュールを手掛けている。こうした製品群をパナソニックの車載エレクトロニクス事業部に取り込み、システム提案を加速させる。パナソニックの車載事業は2018年度に2兆1千億円の売り上げを見込んでいる。
PSCSは2014年6月にパナソニックの半導体事業を分社化して設立された。パナソニックは半導体事業で、車載・産業市場向けに移行するとともに、消費電力の低減や画像処理に注力してきた。
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