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九州製造業の生産性向上へ、福岡市で協働ロボット体験会協働ロボット

九州経済産業局は、次世代ロボットの普及促進を目的として、最新の協働ロボットなどを体験できるイベントを開催。九州地域でのロボット活用の促進と生産性向上への取り組みを紹介した。

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 九州経済産業局は2017年11月6日、福岡市で次世代ロボットの普及促進を目的として、最新の協働ロボットなどを体験できるイベント「次世代ロボット体験プロモーション」を開催した。

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「次世代ロボット体験プロモーション」の様子(クリックで拡大)

 働き方改革などに注目が集まる中、生産性向上はあらゆる製造業にとって大きな課題となる。生産性向上に向けて情報処理の領域では人工知能(AI)関連技術が注目を集めているが、これらの処理結果を実際に物理的な世界に反映するものとして、ロボットへの関心も高まっている。

 ただ、地方の中堅・中小企業にとっては、ロボットの活用を進めようとしても、なかなか体験できる場がないのが障壁となっている。特に複数のメーカーのロボットを同時に体験できる場はほぼないというのが現状である。こうした状況を打破し、少しでも先進ロボットの触れる機会を作ることで、ロボットの活用や生産性向上の1つのきっかけにしたいと、九州経済産業局が実施したのが、今回のイベントである。

 経済産業省 九州経済産業局 製造産業課長の福島裕幸氏は「ロボットの活用に関心は高まっているが、特に中小企業にとっては導入コストの問題などからなかなか身近なものとはなっていない。さらに体験の場も限られている。イベントを通じて少しでも課題解決などのヒントにしてもらいたい」と狙いについて述べている。

 今回の申し込みについては約100人。中小製造業の比率が高かったという。一方で「飲食業や事務などの作業に活用できないか」と体験に来た企業もあり「業種としての幅は予想以上に広かった」と福島氏は述べている。

協働ロボットなど先進ロボット10台を体験

 今回のイベントには、ロボット革命イニシアティブ協議会、産業技術総合研究所九州センター、福岡県ロボット・システム産業振興会議などの各種団体とともに、協働ロボットのレンタルビジネスなどを展開するオリックス・レンテックが協力したことで実現した。

 オリックス・レンテックでは、2017年1月に東京都内に協働ロボットやコミュニケーションロボットに特化したショールーム「Tokyo Robot Lab.」を開設した(※1)。ただ、首都圏の企業以外は訪れるのが難しいことから、各地域でも協働ロボットの価値を体験できるようにロボットショールームカー「移動Robot Lab.車」を新たに用意した。同ショールームカーを活用した全国キャラバンを開始する場として今回の九州経済産業局の「次世代ロボット体験プロモーション」を選んだという。

(※1)関連記事:共に働く相棒をレンタル、オリックスが協働ロボットのショールーム開設

 オリックス・レンテック 新規事業開発部長の戸川英明氏は「ショールーム開設後は地方でも同様の施設が欲しいという声をもらっていた。そこで今回の移動ショールームを実施することにした。地方で複数のロボットを同時に体験できる場はなく、まずは触れてもらうことで身近に感じてもらい、活用へと進んでもらいたい」と述べている。

 展示したロボットは10メーカーから10機種となっている。スイスのABBの「YuMi」、デンマークのUniversal Robotsの「UR5」、ライフロボティクスの「CORO」、安川電機の「MOTOMAN HC-10」など協働ロボットが4体、シャープの「RoBoHoN」、ソフトバンクロボティクスの「NAO」などコミュニケーションロボットが2体となっている。その他、日本電産シンポの追従運搬ロボット「THOUZER」、イノフェスのパワーアシストスーツ「マッスルスーツ」、ロボテックの電動バランサー「Moon Lifter」、DJIのドローン「MATRICE 200」が実演および展示された。

photophoto 体験展示された、安川電機の協働ロボット「MOTOMAN HC-10」(左)と日本電産シンポの追従運搬ロボット「THOUZER」(右)(クリックで拡大)

 福島氏は「九州には、世界的なロボットメーカーである安川電機もあり、きっかけがあれば、ロボットを活用しようという土壌はある。今後さらに体感の機会を増やし、生産性向上に貢献していきたい」と述べている。九州経済産業局が実施する「次世代ロボット体験プロモーション」は今後佐賀県鳥栖市でも開催を予定している。

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