富士通テンが「デンソーテン」に、ECUやミリ波レーダーの開発強化につなげる:製造マネジメントニュース
富士通テンは、資本構成の変更を受けて社名を「デンソーテン」に変更した。出資比率はデンソーが10%から51%に増える一方で、筆頭株主だった富士通は55%から14%に減少。新しい代表取締役社長には、デンソー 顧問の岩田悟志氏が就任する。
富士通テンは2017年11月1日、資本構成の変更を受けて社名を「デンソーテン」に変更したと発表した。富士通テンの株主であるデンソーと富士通、トヨタ自動車は2016年9月、先進運転支援システム(ADAS)や自動運転技術、電子基盤技術の開発力を強化するため、富士通テンの資本構成の変更を検討することで基本合意に至った。
今回、正式に資本構成の変更が確定した。出資比率はデンソーが10%から51%に増える一方で、筆頭株主だった富士通は55%から14%に減少。トヨタ自動車は35%のままとなる。今後はデンソーグループの一員として、ECUやミリ波レーダーを始め、ADASや自動運転技術、電子基盤技術の開発をより一層強化していく。
新しい代表取締役社長には、デンソー 顧問の岩田悟志氏が就任する。現在の社長で富士通出身の山中明氏は代表権のない取締役相談役となる。代表取締役会長は重松崇氏が引き続き務める。重松氏はトヨタ自動車出身で、富士通テンの社外取締役を経て2010年4月に代表取締役社長、2014年6月に代表取締役会長に就任した。
新社長の岩田氏は、通商産業省(現経済産業省)やエネルギー・環境・国際博覧会担当の大臣官房審議官を経て、2006年7月にITS事業部 副事業部長としてデンソーに入社した。1953年10月生まれの64歳。
富士通テンは、前身である神戸工業が1968年に富士通と合併、1972年に富士通のラジオ部門が独立して発足した。「天(最高、至上の意)」に由来する社名のテンは、神戸工業の母体である川西機械製作所の初代社長が発案したもので、親会社が変更した後も残った格好だ。
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