自動運転本格化で高まる存在感、ジェイテクトはステアリングシステムで未来を示す:東京モーターショー 2017(2/2 ページ)
ジェイテクトは、「第45回東京モーターショー 2017」において、ステアリングやベアリングなどの幅広い技術力を示すとともに、新たに自動運転時代に向けた将来技術のコンセプト車「JTEKT Future Concept Vehicle」を披露する。
「JTEKT Future Concept Vehicle」の意味
「JTEKT Future Concept Vehicle」は、ステアバイワイヤシステムの電動パワーステアリングとインホイルモーターを一体としたコンセプトモデルである。EPSと駆動との協調制御を手掛けるジェイテクトの総合力があるからこそ実現できた技術だとしている。
ステアバイワイヤシステムは、機械的なつながりが切り離され、電子制御によりドライバーのハンドル操作を車輪に伝えるステアリングシステムで、車速や車両姿勢に応じた操舵角制御ができることにより、安全で快適な運転を実現できるとしている。クルマが信号により、運転を制御する自動運転時代には必須の技術とされている。
インホイルモーターは、車輪近くに配置されたモーターが駆動力となって自動車を走行させる技術。左右輪の駆動力配分や横滑り防止などを実現する。ジェイテクトではこれらの技術を組み合わせて制御できることから、自動運転時代の快適、安全運転のカギを握ると訴求する。
さらに、将来、自動運転と手動運転の切り替えが可能となった場合、自動運転時においてドライバーが車室内を快適に過ごすためにハンドルを格納することができる将来技術として「リトラクタブルコラム」も搭載している。
VRやLEXUSのカットモデルも
ジェイテクトでは、この「JTEKT Future Concept Vehicle」によりクルマの将来像を訴求するとともに、同社が実現する「人とクルマが協調する自動運転」を分かりやすく訴求するため、JTEKT 360 VIRTUAL REALITY 「JGOGGLE 2」を用意。「ジェイテクト伊賀試験場」での自動運転の走行の様子を360度映像で紹介する。
さらに、会場では、同社が2016年に量産を開始したラックパラレルEPSや、トルセンLSD、ハブユニットなどが多く採用されているLEXUS「LC500」のカットモデルも用意する予定である。
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