機能を組み込むのではなく“縫い付ける”、回路入りパッチをパナソニックが提案:CEATEC 2017
パナソニックは「CEATEC JAPAN 2017」でコンセプト展示として回路と一体化し機能を持たせたパッチ「ウェアラブルメーカーパッチ」を提案した。
パナソニックは、「CEATEC JAPAN 2017」(2017年10月3〜6日、千葉県・幕張メッセ)に出展し、コンセプト展示として回路と一体化し機能を持たせたパッチ「ウェアラブルメーカーパッチ(WEARABLE MAKER PATCH)」を提案した。
ウェアラブルメーカーパッチは、「ストレッチャブル回路」に電子部品を実装したパッチデバイス。 縫い付けるだけで簡単にウェアラブルデバイスの機能を付加でき、衣服や布製品をウェアラブルデバイスとすることが可能となる。接触不良の要因となりやすいはんだ付け部分を保護する技術と、回路そのものを樹脂で保護することで柔らかさと機能を両立させた。パナソニックとQUANTUMで開発した。
機能としては、脈拍計測や温度測定、LED点灯、ブザー、タッチセンサー、加速度センサー、水分計測、紫外線計測、「Bluetooth low energy」などを用意。これらのパッチを衣服に縫い込むことで、それぞれの機能を実現する。
CEATEC JAPANの会場では、Tシャツのポケット部分にタッチセンサー、ブザー、加速度センサー、Bluetooth low energy、LEDの機能を組み込んだパッチを縫い付けたものを用意。子どもが着るシャツをイメージし、スマートフォンと連携させ、Bluetooth low energyの接続範囲を超えて接続が切れると、ブザーが鳴り、LEDが光るというシステムをデモした。「子どもが親と一定距離離れると、子どもに警告してあげるというような仕組みだ」(ブース説明員)としている。
実用化に向けては「用途次第で必要な開発が変わってくる」(ブース説明員)。「用途によっては耐久性や耐熱性がもっと必要な場合もある。CEATEC JAPANで多くの意見を聞き、ビジネス化ができるような用途を開拓したい」とブース説明員は話していた。
関連記事
- “誰でも発明家になれる”ソニーの「MESH」ってナンダ?
ソニーが開始したクラウドファンディングとEコマースを兼ねる「First Flight」。第一弾製品として販売開始された“誰でも発明家になれる”「MESH」を、開催されたタッチ&イベントで“体験”してみた。 - ウェアラブルデバイス市場は2021年に2億4000万台へ、2017年比で倍増
IDC Japanは、ウェアラブルデバイスの2021年までの世界/国内出荷台数予測を発表した。2017年に93万台と予測される国内の出荷台数は、2021年には135万台となる見込みだ。中でも腕時計型が市場の約半数を占め、堅調な成長が予測される。 - ウェアラブルデバイスが変革する生産現場・保守現場の未来像
「第25回 設計・製造ソリューション展(DMS2014)」では、ウェアラブルデバイスの活用により生産や保守の“現場”を革新するさまざまなソリューションが出展された。「現場×ウェアラブル」で何が起ころうとしているのか。 - ソニーの深層学習はIoTデバイスの開発に最適、ノンプログラミング開発環境も提供
ソニーは、ディープラーニング(深層学習)ソフトウェア「Neural Network Libraries」とノンプログラミングで手軽に利用できる統合開発環境「Neural Network Console」をオープンソースで無償公開した。より多くの技術者への浸透を目指す。 - 組みひもの飾り結びがウェアラブルセンサーに、その正体はポリ乳酸
関西大学と帝人は、「第3回 ウェアラブルEXPO」において、ポリ乳酸(PLA)の繊維を編んだ「圧電組紐」をウェアラブルセンサーとして用いるデモンストレーションを披露した。 - “電力3万倍”で環境発電を効率化、電池レスウェアラブルの実現へ
エスアイアイ・セミコンダクタは、「第3回 ウェアラブルEXPO」において、“電力3万倍”をうたう半導体ソリューション「CLEAN-Boost(クリーンブースト)」を展示。環境発電(エネルギーハーベスティング)などによって得られる小さな電力を使って、無線通信モジュールを電池レスで動作させるられることを特徴としている。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.