AI研究開発センターを開設、AI技術を単品からパッケージまで提供:人工知能ニュース
新日鉄住金ソリューションズは、人工知能(AI)関連の研究を組織横断で推進し、取引先でのAI技術の現場活用を支援する「AI研究開発センター」を開設した。
新日鉄住金ソリューションズ(以下、NSSOL)は2017年10月3日、横浜市内で会見を開き、人工知能(AI)関連の研究を組織横断で推進し、取引先でのAI技術の現場活用を支援する「AI研究開発センター」を開設したと発表した。自前に限らず社外のAI技術も活用していく方針で、AI技術を「単品からパッケージまでさまざまなやり方で提供できるようになりたい。SIヤー(システムインテグレーター)からITパートナーに幅を広げる」(NSSOL 技術本部 システム研究開発センター所長の齋藤聡氏)としている。
同社でIT分野の最新技術の研究開発を担う「システム研究開発センター」(横浜市)内に設置する。システム研究開発センターの人員はパートナー90人を含む200人体制だ。AI研究開発センターでは、複数のAI技術を横断した研究開発によって複雑化する課題の解決につなげていくことを目指す。また、AI関連のプラットフォームの開発や、自社ソリューションの付加価値向上にも取り組む。
NSSOLは、製鉄の現場でのIT活用支援に約50年にわたって取り組んできた。1980年代には熟練工の暗黙知やノウハウをITで再現するAIシステムを実装。ニューラルネットワークとルールベースエンジンを組み合わせて高炉の操業を支援した実績がある。
現在も新日鐡住金との連携は継続している。2016年4月には新日鐵住金の高度IT活用推進室とともに製鉄の現場の業務効率をIT活用で改善するさまざまな実証実験を進めている。具体的には、屋内測位技術による作業者の位置のデジタル化や、機械学習を用いた作業者の行動分類、作業者の見守りシステムなどに取り組んでいる。また、製鉄業向けにとどまらず、製造業の生産計画システムや、幅広い業界や業務領域向けに知的作業を支援するシステムを提供している。
製造業以外の事例では、Jリーグ向けに機械学習と最適化を組み合わせたシステムを提供。自動で作成した複数の対戦カードを、集客予測を基に選択できるようにした。製造業向けでは部品の調達物流の最適化や、ディープラーニング(深層学習)の開発者向けツールなどを提供した事例がある。
さらに、NSSOLの社内では、既存の業務システムと連携してタスク管理や情報探索を支援するシステム「スマートマシン」が稼働している。現場の情報や問題意識と、先端技術を組み合わせることにより、組織運営や個人の業務効率を改善していく。
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