半導体検査装置大手が製品情報の一元管理に向けPLMソリューションを導入:製造IT導入事例
PTCジャパンは、製品設計情報のグローバルな一元管理を目指し、アドバンテストが同社のPLM(製品ライフサイクル管理)製品「Windchill」の導入を決定したと発表した。
PTCジャパンは2016年11月24日、アドバンテストが同社のPLM(製品ライフサイクル管理)製品「Windchill」の導入を決定したと発表した。製品設計情報のグローバルな一元管理を目指すもので、PTCジャパンの販売代理店である新日鉄住金ソリューションズ(NSSOL)が導入を支援する。
アドバンテストでは、2011年にドイツの半導体試験装置メーカーVerigyを買収。これを契機に、日独を横断するプロジェクト体制での製品設計情報の一元管理が検討されてきた。今回、新たなPLMシステムとして、生産方式など日独両拠点のビジネスプロセスの違いを許容する機能やグローバルで標準化されたアセスメント手法、今後15年間の長期活用が可能な点などを評価し、Windchillの導入を決定した。
新システムは、基本的には日本のデータセンターにデータを持つが、Windchillのレプリカ機能を活用してドイツ側のシステム応答速度を高めることができる。これにより、日独での製品設計情報の効率的な共有が可能になり、設計技術のレベルアップや部品購買業務の効率化などが期待される。
導入時には、NSSOLがITパートナーを務める。プロジェクトは2016年4月に開始され、同年7月末にシステムの構想フェーズを終え、同年8月から要件定義フェーズに入った。今後、日本側で先行してシステムの設計と製作を進め、2017年夏ごろに本格稼働を開始する。続いて、ドイツ側での設計・製作などを経て、全面稼働する予定だ。
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