深層学習研究用のプライベートスパコンが稼働開始、民間では国内最大規模:人工知能ニュース
Preferred Networksは、深層学習を研究開発するためのプライベートスーパーコンピュータの稼働を開始した。計算ノードにNVIDIA製のTesla P100 GPUを1024基搭載し、民間企業の計算環境としては、国内最大規模のスーパーコンピュータとなる。
Preferred Networks(PFN)は2017年9月20日、深層学習(ディープラーニング)を研究開発するためのプライベートスーパーコンピュータを、同年9月から稼働したと発表した。
同スーパーコンピュータに採用したのは、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)およびNTTPCコミュニケーションズの高速演算処理(GPU)プラットフォームだ。同プラットフォームには、NTT comグループのGPUサーバにおける技術力と実績、最先端のデータセンター構築のノウハウが生かされている。PFNは同プラットフォーム上に、独自の並列分散学習技術「ChainerMN」を活用するための、大規模な深層学習用研究開発基盤を構築した。
計算ノードには、NVIDIAの「Tesla P100 GPU」を1024基搭載。理論上のピーク性能は4.7ペタフロップス(1ペタフロップスは毎秒1000兆回の浮動小数点演算が可能であることを表す)で、PFNによると民間企業の計算環境としては国内最大規模になる。
PFNでは今後、今回構築したプライベートスーパーコンピュータを活用して、オープンソースの深層学習フレームワーク「Chainer」の高速化を進めると共に、大量の計算資源が必要な交通システムや製造業、バイオヘルスケア分野での研究開発を加速させる。さらに、NVIDIAの次世代GPU「Volta」ベースの「Tesla V100」の導入も検討している。
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