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メッシュネットワークの草分け「Z-Wave」の知られざる実力IoT観測所(37)(4/4 ページ)

メッシュ接続に関する仕様が策定されたBluetoothだが、メッシュネットワークの草分けと言えば、ZigBeeとZ-Waveがある。このうちZ-Waveは、ゼンシスという1企業が策定した規格から始まっているものの、15年以上の歴史とともに、さまざまな顧客企業に利用されているという実績も持っている。

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課題は半導体メーカーがほとんど興味を示していないこと

 ということでZ-Waveの概略を簡単にご紹介した。実のところ、主に欧米を中心にZ-Wave搭載製品はかなりの数が出回っており、相互接続性試験をパスした製品だけを挙げても2100を超えている。これはZigBeeなどに比べるとはるかに多い。

 もっとも、相互接続性試験といっても何しろRFはゼンシス/シグマ・デザインズのチップ/モジュールしかないのだから、問題があるとすればRFレベルというよりはその上位になる。これについても、Z-Waveアライアンスで19のデバイスクラスに対する仕様書が定められており、これでほぼ網羅されている。

 実のところ、最新の仕様書(2016年8月26日版)のVersionが29というあたりからも分かる通り、新しいジャンルの製品計画があると、すかさずそれを仕様書に取り込むという形で充実を図っており、その意味では他のIoT(モノのインターネット)規格に比べるとずっとしっかりしているとはいえる。

 これもあって、Z-Waveに対応した製品あるいはコントローラーは、引き続き新製品が投入され続けている。何しろ「既に対応製品が顧客の所で稼働中」であり、しかも「他の規格では通信できない」以上仕方が無いからだ。

 ただし、デバイスそのものが事実上シグマ・デザインズ(とセカンドソースのミツミ電機)の独占提供で、Wi-FiやBluetooth、ZigBeeのようにさまざまなメーカーがRFチップを提供するという形態になっていない。このため、Z-Waveに興味を示すのは機器メーカーだけであり、半導体メーカーはほとんど興味を示していない。

 これはメンバー企業一覧を見れば一目瞭然。インテルキャピタル経由で投資をしたはずのインテルですら、既にメンバーから抜けているありさまである。このあたりが、今後Z-Waveが、特にスマートホームの分野でシェアを握り続けるための一番の問題点となりそうだ。

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