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「世界最細」となる3mm径の手術用綿棒を実用化:医療機器ニュース
大阪大学と山洋が、世界で初めて3mm径の極細綿棒を開発した。臨床評価を経て「Dr.HUBY micro 3mm医療用綿棒」として実用化し、2017年9月15日より販売を開始した。
大阪大学は2017年9月11日、綿棒メーカーの山洋と共同で、3mmの極細径な綿棒を開発したと発表した。3mm径の開発は「世界初」(大阪大学)としている。
コットン糸を巻き付ける製法では、5mm径よりも細い綿棒を作成することは不可能だと見なされてきた。そこでコットンパウダーを軸に吹き付けた後、一定の型に立体造形する技術を採用。3mmという極細径化と、自由な凸凹型のデザインが可能となった。
今回採用した製法で作成した綿棒は、微粒子数計測検査により、先発品よりも1000倍以上もコットンくずが少ないことを確認。体液中への異物溶出が減ることによって、感染リスクの軽減が見込めるようになる。さらに極細径化により、傷跡がほぼ残らない、術中の視野を妨げない、愛護的に細かな作業ができるといった利点がある。
本綿棒は臨床評価を経て「Dr.HUBY micro 3mm医療用綿棒」として実用化し、同年9月15日より販売を開始した。
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