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産業向けIoT通信技術として生まれ変わるBluetooth製造業IoT(3/3 ページ)

Bluetooth SIGは新たにリリースした「Bluetooth mesh」について国内でアピール。新たにIoT向けの産業用ネットワークとして訴求を強化する方針を示した。

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用途は思いもしないところからやってくる

MONOist IoT向けとなれば、リアルタイム性が要求されるシビアな環境での利用なども想定されますが、こうした厳しい環境にも「Bluetooth mesh」は対応できると考えますか。

コルドラップ氏 リアルタイム性が要求され、フィードバック制御を行わなければならないようなシビアな環境への対応はすぐには難しい。まずはセンサー情報の見える化や制御などから進み、資産管理などを経て、プロセスコントロールなどの方向へと進化していくと考えている。

 ポテンシャルとして考えた場合、「Bluetooth mesh」は通信性能としても他のメッシュ規格などと比べると高く、送受信できる容量も多いことから、高速化できる。精度や利用用途などによって制限はあるが、プロセス制御領域でも将来的には使えるものが出てくると考えている。

MONOist 「Bluetooth mesh」はBluetooth LE 4.0以上が対応するとのことですが、既に普及しているデバイスを「Bluetooth mesh」対応に簡単に切り替えられるということでしょうか。

 新たに投入するBluetooth関連製品では、ほぼ対応を進めていく。一方で既存デバイスについては、アップグレード可能かどうかはインストールされた機器によって変わってくる。また、「Bluetooth mesh」は新しい使い方を想定しているため、既存デバイスをアップグレードするような場合は、メッシュ通信機能としては良いが、そもそものデバイスとしての使い方が適さない場合もあり、新たなデバイスでの使用拡大がまずはポイントになると見ている。

 ただ、こうした状況を前提として、産業用、民生用含む全ての領域においてキーデバイスになると見ているのが、スマートフォンである。スマートフォンは多くがBluetooth LE 4.0以上を採用しており、アプリケーションによる対応でメッシュ通信が使える“メッシュレディ”の状況である。

 スマートフォンが重要なデバイスであるという理由は2つある。1つ目がメッシュ通信の中継端末として人が常に持ち歩くスマートフォンは最適な中継点となり、さまざまなサービス展開の起点となるという点だ。2つ目は、メッシュ通信などでつながった機器群のコントロールデバイスとなり得るという点である。メッシュ通信を通じて、近くの機器などをコントロールすることなどが簡単に行えるようになる。

 ただ、こうした使い道などはユーザー企業の自由な発想によって、想像もつかない用途が生まれるものだ。規格側でいつも「こうした使い道があるのではないか」と打ち出してみるが、その通りに発展しなかったことも多い。また、逆に想像しなかった使い方がユーザーによって生み出され、それが一気に普及するケースもある。そういう意味では「通信接続が新たな革新をドライブする」ということを訴えていきたい。技術規格として用途を固めすぎることなく、より広くに自由な発想で使ってもらうことを考えている。

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説明会で展示されたシリコンラボの「Bluetooth mesh」による照明制御のデモ(クリックで拡大)

産業向けの参加を呼びかけ

MONOist Bluetoothにとって、日本の位置付けというのはどのように考えていますか。

コルドラップ氏 Bluetooth SIGは現在150カ国に3万2000社のメンバー企業が参加する状況だが、現在日本企業は1590社も参加しており、高い存在感を示している。ただ、従来は民生機器関連の企業の参加が多かった。今後産業用での展開を強化する中で、B2B関連の企業にもより多く参加してもらいたいと考えている。

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