AIで倉庫運営における人員配置の最適化を図る実証実験を実施:製造ITニュース
NECと東邦ホールディングスは、AIを活用し、倉庫運営における人員配置の最適化を図る実証実験を2017年7月に実施し、システムの有効性を確認した。AIが人員配置を設計し、作業のピーク時間帯に生産性が向上した。
NECは2017年8月29日、東邦ホールディングスと共同で、AI(人工知能)を活用し、倉庫運営における人員配置の最適化を行う実証実験を同年7月に実施し、システムの有効性を確認したと発表した。AIが倉庫内の状況を分析して最適な人員配置を設計したところ、作業のピーク時間帯に生産性が最大20%向上。同社では、同年度中にこのシステムを用いたサービスの提供を卸業界を中心に開始する予定だ。
実証実験は、東邦ホールディングスの医薬品管理におけるノウハウと、NECのAI技術群「NEC the WISE」の1つ「自律適応制御技術」を組み合わせて行った。WMS(庫内管理システム)で把握している倉庫内の人員配置と出荷作業の進行情報から、残りの作業と現在の人員による生産性を基に、自律適応制御技術が最適な人員配置を分析・設計する。熟練の管理責任者でなくとも、適切かつ柔軟な設計や判断ができる。
さらに、倉庫内の人員配置や状況を見える化した。フロア全体の必要人員数、エリアの最適人員配置数、現在のエリアごとの作業要員数や作業の進行状況を同時に表示し、作業員自身も人員配置の設計背景や状況を理解した上で作業を進められる。
他に今回の実証実験は、精度の高い出庫作業、作業の見える化など、倉庫運営の新たな課題発見にもつながった。
倉庫内作業の人員配置は、管理責任者の経験に基づいて行われていたが、労働者不足や高齢化の問題により、経験豊かな管理者や作業要員の確保が困難となっている。そのため、より効率的な業務プロセスの設計や人員配置の適正化が求められていた。
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