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RoHS指令による新たな規制物質を簡単に検査できる装置、スクリーニング用途で人気JASIS2017

日立ハイテクノロジーズグループは「JASIS 2017」に出展し、生産現場で迅速かつ簡単に、RoHS指令による新規制物質「フタル酸エステル類」を検査できる加熱脱離イオン化質量分析計をアピールした。生産現場でのスクリーニング用途を想定する。

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 日立ハイテクノロジーズグループは分析機器・科学機器の専門展示会「JASIS 2017」(2017年9月6〜8日、千葉県・幕張メッセ)において、RoHS指令による新規制物質「フタル酸エステル類」を簡単・迅速に検査できる加熱脱離イオン化質量分析計「HM1000」をアピールした。

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日立ハイテクサイエンスの加熱脱離イオン化質量分析計「HM1000」(クリックで拡大)

 欧州連合(EU)による電子・電気機器の特定有害物質の使用制限を訴える「RoHS指令」だが、2019年7月から新たに4種類のフタル酸エステル(DEHP、BBP、DBP、DIBP)が規制対象物質に加えられることになる。フタル酸エステル類は電線被覆材や電気絶縁テープ、包装用フィルムなどに幅広く使用されており、改正に伴い、これらの規制物質が使用されていないかどうかの検査体制の構築が急務となっている。

 「HM1000」はこのニーズに対応した製品である。日立ハイテクノロジーズの子会社である日立ハイテクサイエンスが開発し、販売を進めている加熱脱離イオン化質量分析計である。特徴は「容易に迅速に検査できること」(ブース説明員)だという。

 「HM1000」は、試料からフタル酸エステル類を気化させる試料加熱部、気化したフタル酸エステル類をイオン化するイオン源部、イオン化された成分を分析する質量分析部で構成される。

 試料から抽出した成分ガスを多成分同時測定し、新設計の試料加熱部により試料の急速加熱、冷却が可能で、1試料当たり10分以下でスクリーニング検査ができる。また、適量の試料を切り出し、サンプルパンにセットする簡単な前処理作業だけで、専用ソフトウェアが自動で試料成分の検出、定量、含有判定までを実施する。さらに、オートサンプラーが最大50個の試料(標準試料を含む)を連続で自動測定。検査工程の効率が向上する。外形寸法は510×615×615mm。電源と窒素ガスのみで運用できるため、ランニングコストも抑えられる。価格は1400万円。

 新たなRoHS指令により、電機業界などでは検査項目が大幅に拡大すると見られており、従来のような専門知識が必要な検査機器では対応が難しくなることが予測できる。「検査には、精密検査とスクリーニング検査の2種類があり、今回RoHS指令での対応で必要なのは各製品内に規制物質が含まれていないかをとにかく大量に検査するスクリーニング用途。専門知識がなくても検査できるような簡単さと迅速さが求められるようになり、そのニーズに応えられる製品としてリリースした。既に国内外の多くの企業から問い合わせを受けている」(ブース説明員)としている。

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