論理的にアイデアを導き出す「演繹法」ってご存じですか?:“本当に進む”問題解決〜現場のコンサル力で事業を変える(4)(3/3 ページ)
机上の空論になりがちな「問題解決」、それを本当に進めるための“現場のコンサル力”向上のヒントをお届けする本連載。第4回では、一つのテーマからモレ・ダブりなく解決策を生み出していくための「演繹法」についてお伝えします。
3つにこだわり、“隣にあるはず”のアイデアを考え続ける
さて、「物理的な紛失防止策を講じる」「社員の意識を高める」がセキュリティカードの紛失を防ぐための主な方針の2つとして出てきましたが、これで網羅できていると言えるでしょうか。難しいのはここからです。網羅が重要ですので漏れてしまっては意味がありません。
ここでのコツとして「3つにこだわる」「3つ目は常識から外れるような根本的なものが多い」を念頭に置いてみてください。2つ出ているので、「3つにこだわる」ではもう一つ見つけなければなりません。そして「常識から外れるような根本的なもの」だとすると……。
こんなものはどうでしょう。
「そもそもセキュリティカードの存在をなくす」
つまり、「コード入力型のセキュリティーにする」とか、「生体認証にする」というような施策がこれにあたるのではないでしょうか。
私たちが用いている「演繹法」の面白い点は、使いこなせれば自分が考え付きもしなかったアイデアが出てくるということです。それはときに突拍子もなかったり、非常識なものだったりしますが、網羅することが重要であり、実際に施策にする際には実現可能なものを選択すればよいだけのことです。
また業務に限らずあらゆるアイデア出しに応用できるのも特徴です。ぜひ使いこなして柔軟なアイデアが出せるようになってください! そこで、次回はこの「演繹法」の演習問題にチャレンジいただこうと思います。お楽しみに。
筆者プロフィル
株式会社VSN 馬場 秀樹
2000年にVSNに入社。インフラエンジニアとしていくつものプロジェクトに参画。VSNの“派遣エンジニアがお客さまの問題を発見し、解決する”サービス、「バリューチェーン・イノベーター(以下、VI)」の構想メンバーであり、一流コンサルタントより問題解決手法の教示を受け、多くの問題解決事案に携わる。派遣会社でありながら、担当した事案には、数億円規模の売り上げ向上につながった例も。
現在は、同社「経営イノベーション本部」にて今後の事業の根幹を担うVIをさらに加速させるべく、事業計画の立案や浸透・推進を行う。
株式会社VSN http://www.vsn.co.jp/
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