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「現場のコンサルティング力」で問題解決“本当に進む”問題解決〜現場のコンサル力で事業を変える(1)(1/2 ページ)

飽きるほど耳にしてきた「問題解決」、だが実際の改善活動がうまくいかない……。そんな悩みを抱える経営者・管理職に“本当に進む”問題解決のための手法をレクチャー。

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 昨今、世の中では多くの企業で「改善は重要である」「わが社は改善活動を推進している」という声を耳にするようになりました。改善活動とは主に現場で業務を行っている当事者の皆さんが業務を通じて直接感じている問題をさまざまな工夫で“改善”し、生産性を高める活動を指します。

 ところで現場で実際に改善活動を行ったり指示をしている皆さん、一向に問題が解決しなかったり、問題を解決しても別の問題が次から次へと出てきたりといったことはありませんか? 私はお客さまからそういう言葉をよく伺います。

 一般に現場で感じている問題というのは、実は問題ではなく、「本質的問題」が引き起こしている事象にすぎません。このため、その事象を引き起こしている「本質的問題」を解決しなければ現場で感じている問題も解決できなかったり、別の問題が発生してしまうのです。このため、現場で感じた問題を改善することは医学でいう「対症療法(痛み止めなど症状を緩和する医療法)」と言えるのではないでしょうか。

 一方、コンサルティングは主に経営層を相手とし、経営・管理・人事など、コンサルタントが自身の専門性を生かして問題の発見、分析、対策案の提案を行っているのは多くの方がご存じかと思います。コンサルティングはコンサルタントの実力によって差はあるものの、目指しているのは問題の根本的な解決です。つまり、社内で感じられているような問題の根源を解決することを目的としており、こちらは医学でいう「原因療法(症状を引き起こしている原因そのものを取り除く医療法)」と言えるでしょう。

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 両者を比較した際、それぞれ正反対の特色を持っていることが分かります。改善活動は現場の問題を改善する半面、問題解決の専門家ではないためにコンサルティングのように原因の追究や抜本的な解決を行うことは困難です。

 一方、コンサルティングは専門家がそうした原因の追究まで行うものの、その後の解決策は企業にゆだねられる上に、多くは経営層や特定の専門部門の問題解決に限定される場合が多いでしょう。もしくは、抜本的改革を提案するのみで、現場での改善策が進まないことも考えられます。

 私が在籍するVSNはエンジニア派遣の会社ですが、現場に派遣された当社のエンジニアが上記2つの相反する特徴を克服した問題解決ができないかと考え、試行錯誤といくつかの幸運の末に一つの結論に行きつきました。それは「現場の人々がコンサルタントの行っているような原因追究や抜本的な解決をする」というものです。要するに両者の良いとこ取りですが、大事なのはそれをどのように実現するかということです。VSNではこの考えを「バリューチェーン・イノベーター」と呼び、他社にないオンリーワンサービスとして推進しています。

 前置きが長くなってしまいましたが、本連載ではこのような問題解決の基本的な考え方や手法を、毎回順を追って皆さんに紹介していきたいと思います。

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