世界のAR/VR市場は2021年に23兆円へ、2017年比で18倍以上に:VRニュース
IDC JapanがAR/VRの世界市場予測を発表。市場規模は2017年の114億ドルから2021年には2150億ドルに成長する見込みだ。
IDC Japan(以下、IDC)は2017年8月15日、AR(拡張現実)/VR(仮想現実)のハードウェア、ソフトウェアおよび関連サービスの世界市場予測を発表した。IDCは、2017年の世界市場規模が114億ドル(約1兆2000億円)になると予測した上で、2021年には2017年比で18.8倍となる2150億ドル(約23兆8000億円)近くに達するとしている。2016〜2021年にかけての年間平均成長率(CAGR: Compound Annual Growth Rate)は113.2%と見ている。
2017年中、AR/VR支出が最も多いと予測しているのは米国(32億ドル)、次に日本を除いたアジア・太平洋地域(APeJ)で30億ドル、西欧の20億ドルと続いた。2018〜2019年にかけてはAPeJの支出が加速し1位になると予測。その後は、西欧がAPeJを追い抜くだろうという。2016〜2021年にかけてはカナダの支出が最も急成長すると見ており、CAGRで145.2%と予想する。
2017年は、どの地域においてもコンシューマー向けの市場が最大の支出分野だという。コンシューマー市場においては、2021年までAR/VRゲームが支配的で、2021年のゲームの合計支出は95億ドルに達すると見ている。
今後の用途別の市場動向については、地域や年により違いが見られる。2017年で2番目に大きい市場としては、米国および西欧においては組立製造とプロセス製造、APeJでは小売と教育だとしている。2021年になると、APeJでは引き続きコンシューマー市場が最大の支出分野である一方、米国はコンシューマー市場が組立製造とプロセス製造など他分野の市場に追い抜かれる予測だ。西欧においては、2021年までコンシューマー分野が市場をけん引しつつも、組立製造、小売、プロセス製造が強い成長を示すだろうとしている。
2018〜2019年にかけてユーザー事例についても進展が見られるという。2016〜2021年の間のユーザー事例において、非常に高い成長を見せる分野として、実験関連(CAGR 166.2%)、治療とリハビリ(同152.0%)、公共インフラ整備(同138.4%)を挙げた。
日本国内については今回、支出額についての発表がないが、「成長は堅調」とコメントしつつ、成長率については2016〜2021年において年間平均で67.1%であると発表した。またヘッドマウントディスプレイなどVR機器の市場において立ち上がりに遅れがあると指摘している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- AR/VRヘッドセット市場規模は世界で228万台――2017年1〜3月
IDC Japanは、AR/VRヘッドセットについて、2017年第1四半期の世界と国内の出荷台数を発表した。世界のAR/VRヘッドセット出荷台数は228万台で高成長が続く。国内の出荷台数は5万3000台。PlayStation VRが国内市場を主導している。 - 世界AR/VR関連市場を「2020年は2016年の20倍以上に拡大」と予測
IDC Japanは、世界のAR/VR、および関連サービス市場の予測を発表した。世界AR/VR関連市場は、2020年には2016年の20倍以上に拡大し、多くの利用分野で年間平均成長率が100%を大きく超えると予測している。 - VRヘッドセットは2020年に6000万台市場へ、それでも「ARの方が重要性増す」
IDCジャパンは、VR(仮想現実)/AR(拡張現実)ヘッドセットの市場予測を発表。世界全体の市場規模(出荷台数)は、2016年がVRヘッドセットを中心に急伸し年間1000万台に達する勢い。2020年にはARヘッドセットの成長も始まり、合計で年間7500万台を超えるとしている。 - 国内企業のデジタルトランスフォーメーション成熟度が1年で1段階上昇
IDC Japanは、国内デジタルトランスフォーメーション(DX)成熟度に関するユーザー調査結果を発表。前回の調査結果に比べて成熟度が大幅に向上したものの「多くの企業では、短期的かつ従来のビジネスの効率化が中心で、革新的な製品やサービスの創出に向けた顧客エクスペリエンスの強化とエコシステムへの拡大が不可欠だ」(同社)という。 - 2020年にモノはつながり、ロボットは笑いかけるか
2020年。東京オリンピックが開催される年にロボットはあなたのそばで笑っていますか?