世界AR/VR関連市場を「2020年は2016年の20倍以上に拡大」と予測:VRニュース
IDC Japanは、世界のAR/VR、および関連サービス市場の予測を発表した。世界AR/VR関連市場は、2020年には2016年の20倍以上に拡大し、多くの利用分野で年間平均成長率が100%を大きく超えると予測している。
IDC Japan(IDC)は2017年3月9日、世界のAR(拡張現実)/VR(仮想現実)、および関連サービス市場の予測を発表した。2016〜2020年の支出額を予測し、世界AR/VR関連市場は2020年には2016年の20倍以上に拡大すると予測している。
米IDC発行の「Worldwide Semiannual Augmented and Virtual Reality Spending Guide」によると、AR/VRのハードウェア、ソフトウェアと、その関連サービスを合計した支出額は、2016年の61億ドル(約6900億円)から2017年は139億ドル(約1兆6000億円)に、さらに2020年には1443億ドル(約16兆円)に達する見通しだという。
コンシューマー市場は最も大きい比率を占め、2017年の支出額は前年比2倍以上の62億ドル(約7000億円)に達すると予測。ビジネス領域での支出についても、組み立て製造業と小売業で2017年の合計支出が10億ドル(約1100億円)を超えるとしている。小売業は2015〜2020年の年間平均成長率(CAGR)が238.7%となり、2020年にはビジネス領域においてAR/VR支出のトップに躍り出ると予測。同様に、2020年にはプロセス製造業が3位にランクインする見込みだという。
また、次に高い成長性が期待される産業として、交通・運輸(CAGR233.7%)とヘルスケア分野(同231.8%)を挙げている。さらに、2017年は小売業での見本展示(4億6100万ドル<約520億円>)、製品開発(2億6700万ドル<約300億円>)、設備のメンテナンス(2億4900万ドル<約280億円>)への投資が集中する見込みだという。
VR関連支出にはVRビュワー、ソフトウェア、コンサルティングなどが含まれ、2018年まではゲームおよび有料コンテンツへのニーズにより、ARを大きく上回る。2018年からはヘルスケア分野やプロダクトデザインなどの需要に応える形で、AR関連支出が急激に伸びると予測している。
地域別では、アメリカが2017年にAR/VR関連で43億ドル(約4800億円)を支出し、日本を除くアジア太平洋地域(以下、APeJ)が26億ドル(約2900億円)、西ヨーロッパがそれに並ぶ25億ドル(約2800億円)と予測。2017年はこれらの3地域ともコンシューマー市場がAR/VR最大の支出分野となるが、APeJでは個人向けサービス、アメリカと西ヨーロッパでは組み立て製造業がそれに続くという。2020年までには、アメリカでは組み立て製造業がトップになり、APeJでは小売業が2位になると予測している。
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