工業用バーコードとは何か?:いまさら聞けない工業用バーコードリーダー入門(1)(2/2 ページ)
製造現場におけるワークや工具の管理など、自動化の大前提として工場を支えている工業用バーコード。本連載ではあらためて、工業用バーコードの基礎的な知識をおさらいします。第1回は工業用バーコードとは何かを紹介します。
2次元コードも読み取れる画像処理式リーダー
1次元コードだけでなく2次元コードも読み取れるリーダーとしては、画像処理式リーダーがある。画像処理式リーダーは可動部品がないため、より壊れにくく、産業用には最適だとされている。画像処理式リーダーは、1次元および2次元コードの向きにかかわらず読み取ることが可能だ。シングルラインレーザスキャナーは全方向性ではないため、バーコードをレーザスキャナーの前に正しい向きで配置する必要があり、その点でも画像処理式スキャナーは優位性を持つといわれている。
バーコードの使い方
バーコードは今ではBtoBからBtoCまでさまざまな領域で利用されている。ほとんどの業界で、バーコードの1つや2つは目に付く。例えば、バーコードの利用により、飲食料品、包装、小売流通、医療、医薬品、電機、自動車、航空機といった各業界における製造、処理、追跡の分野で変革が起こった。バーコードは、携帯電話機のバッテリーから新品のジョギングシューズの箱まで、あらゆるエレクトロニクス製品やコンシューマー向け製品に貼付されている。1次元または2次元コードの利用により、サプライチェーンの管理、在庫管理、出庫、購買が自動化され、大幅に現場の負担を軽減できた。
危険防止や法的責任に関連するトレーサビリティーなどについても、バーコードの導入を広げる要因になっている。例えば、最近では世界中の政府が、医療機器メーカーや製薬会社に対し、薬品の個包装を含むあらゆるパッケージに、機械による読み取り可能なコードの添付を義務付け始めている。これらを記録することで、万が一、欠陥商品が店頭に並んだ場合でも全てのパッケージを追跡可能となる。リコールの際にサプライチェーン全体で品質管理データを利用しながら素早く回収作業を行えるというわけだ。
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