保険業界初、グループ専用の“AI工場”を構築:人工知能ニュース
SOMPOホールディングスとSOMPOシステムズは、グループ専用の“AI工場”「エッジAIセンター」を保険業界で初めて構築した。グループ各社で収集したデータをリアルタイムに解析し、瞬時に経営に生かす。
SOMPOホールディングスとSOMPOシステムズは2017年6月29日、AI(人工知能)資産の蓄積/活用/運用を効率的に行うグループ専用の“AI工場”「エッジAIセンター」を「保険業界で初めて構築した」(両社)と発表した。グループ各社で収集したデータをリアルタイムに解析し、瞬時に経営に生かす。
AIサーバを集積させるハウジングスペース(ネットワーク装置やサーバ類を預かる場所)と、データ集約に活用するアマゾン ウェブ サービス(AWS)およびエッジAIセンターを接続する閉域ネットワークの構築は、東日本電信電話(NTT東日本)が担当。SOMPOホールディングスグループでのデータプラットフォーム構築の一環としてデータ集約機能をAWSに構築し、NTT東日本が提供するデータセンター内に収集したデータをリアルタイム解析するAIセンターを構築した。
インフラストラクチャには、米NVIDIAのGPUを搭載。ディープラーニング処理向けに最適化された米IBM製のAI専用サーバで構築した。
エッジAIセンターは、SOMPOホールディングスグループ各社の事業領域に特化したデータセットを使った学習モデルを構築/蓄積し、グループ全体で活用するための「学習工場」の役割も果たす。また、エッジAIセンター上で提供するAIシステムの第1弾として2017年夏より、独自のディープラーニング技術を実装したAIシステムを運用。業務を自動化し、サービス品質を向上する。
エッジAIセンターにおいて、SOMPOホールディングスは世界最先端のデータプラットフォームの構築及び人材開発を担当。SOMPOシステムズはグループ各社の事業のためのITシステム構築を担当する。NTT東日本は安全性/信頼性の高いデータセンターや通信ビルを提供し、ネットワークを構築する。
SOMPOホールディングスは今後、コールセンターでのAI活用などの業務効率化、AIを活用した新サービスの創出、及び新たなビジネスモデルの構築を目指す。また、NTT東日本のネットワークと各地のデータセンター、通信ビルを活用してサーバを集約し、最適配置を図り、現在オンプレミスで実施しているネットワーク負担の大きい大容量データ解析や低遅延が求められるデータ処理のコスト削減と品質向上を図るとしている。
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