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2017年4月から自動運転向け特約がスタート、無料で対人対物賠償の自動車保険に自動運転技術

東京海上日動火災保険は、自動運転車向けの自動車保険「被害者救済費用等補償特約」を展開する。自動運転車が普及すると、事故の原因究明、責任の有無や割合の確定にこれまで以上に時間がかかることも考えられる。新しい特約により、迅速な被害者救済を維持する。

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 東京海上日動火災保険は2016年11月8日、自動運転車向けの自動車保険「被害者救済費用等補償特約」を開発したと発表した。自動運転車が想定外の動作を起こして事故が発生、被保険者に損害賠償責任がないことが認められた場合、被害者に生じた損害を負担するために支出する費用を補償する。同社の自動車保険は2017年4月1日から自動的に同特約がセットになる。追加の保険料は発生しない。

自動ブレーキ車線逸脱警報 自動ブレーキやレーンキープアシストは既に多くのモデルで採用されている(クリックして拡大) 出典:ホンダ

 自動運転車が普及すると、事故が発生した場合に、加害者や被害者だけでなく、自動車メーカーやサプライヤ、ソフトウェア事業者なども賠償義務を負う対象となりうる。事故の原因究明、責任の有無や割合の確定にこれまで以上に時間がかかることも考えられるとしている。

 東京海上日動は、迅速な被害者救済を図ることが重要だとし、自動車保険向けに同特約を開発した。客観的な事実により、自動運転車が想定外の動作で事故を起こしたと確認できる場合、特約で損害を負担するために必要な費用を補償する。また、被害者に生じた損害額のうち、被害者自身の過失により生じた損害額などを控除した額を保険金として支払う。

レベル2の自動運転は既に販売中、各社2020年までに商品化

 現在、自動化レベル2の自動運転システムを搭載したモデルが販売されている。レベル2は、車線維持(ステアリング操作)と、オートクルーズコントロール(加減速)を1つのシステムで同時実現するものが該当する。

 具体的には、Tesla Motors(テスラ)の電気自動車「モデルS」に搭載されている「オートパイロット」や、日産自動車がミニバン「セレナ」に採用した「プロパイロット」、Mercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)の「Eクラス」がその例だ。

セレナモデルS セレナやモデルSが自動運転中の様子(クリックして拡大)

 これらのモデルの自動運転システムは、高速道路で作動する。モデルSやEクラスは方向指示器の操作を行えば、車線変更の制御もシステムが行う。セレナは「単一車線の自動運転」となっている。

 2016年はテスラオーナーの事故が相次いだ。いずれもオートパイロットを使用していた可能性が高い。しかし、ステアリングから手を離す、運転席にいるにもかかわらず車内で映画鑑賞に集中するなどドライバーに過失のある事故だった。

 2017〜2020年までに、この他の自動車メーカー各社も高速道路上でのレベル2の自動運転システムを商品化することを明らかにしている。日産自動車は2020年までに一般道でのレベル2の自動運転システムを搭載する計画だ。また、Audi(アウディ)は2017年までに限定された環境でのレベル3の自動運転を製品化するとしている。

自動追い越し自動駐車 ドライバーの操作や安全確認が不要な追い越しや、車外から操作する自動駐車など開発がすすめられている(クリックして拡大)

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