検索
ニュース

車線変更の安全確認も自動で行う、ボッシュが開発中の高速道路向け自動運転自動運転技術(1/3 ページ)

ボッシュは、女満別テクニカルセンターにおいて開発中の自動運転車を公開した。高速道路を想定して、開発車両は時速100kmで車線変更や追い越しを行い、追い越し車線の車両が通り過ぎるのを待ってから自動で車線変更する様子も紹介。高速道路でのレベル3(操作と監視の主体はシステム)の自動運転は2021年に実用化する目標だ。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 Robert Boschの日本法人であるボッシュは2016年9月28日、女満別テクニカルセンターにおいて開発中の自動運転車を公開した。高速道路を想定して、開発車両は時速100kmで車線変更や追い越しを行い、追い越し車線の車両が通り過ぎるのを待ってから自動で車線変更する様子も紹介。高速道路でのレベル3(操作と監視の主体はシステム)の自動運転は2021年に実用化する目標だ。

 また、当日はスマートフォンを使って車外から操作して自動駐車するデモンストレーションなども行った。ボッシュでは、社内の各製品の担当者が連携を強化できるよう組織体制を見直し、国内自動車メーカーの自動運転システムの開発をサポートしていく。

高速道路の自動運転、センサーは何を使う?

高速運転でレベル3の自動運転を目指す開発車両のセンサーの配置
高速運転でレベル3の自動運転を目指す開発車両のセンサーの配置(クリックして拡大) 出典:ボッシュ

 ボッシュのレベル3の自動運転車は、ホンダのセダン「レジェンド ハイブリッド」をベース車両とし、複数のセンサーや高精度地図を使用する。

 車両の四隅にはライダー(LiDAR:Light Detection and Ranging)と中距離ミリ波レーダーを、後方には長距離ミリ波レーダーとライダー、高精度GPSアンテナを搭載。車両の前方はライダー、長距離ミリ波レーダー、ステレオカメラで監視する。ステレオカメラはさまざまな応用を前提にカラーで撮影している。ライダーと高精度GPSアンテナを除いてボッシュ製品だ。

車両前方にはライダーと長距離ミリ波レーダー四隅には中距離ミリ波レーダーとライダー 車両前方にはライダーと長距離ミリ波レーダー(左)。四隅には中距離ミリ波レーダーとライダー。ミリ波レーダーは化粧板の下にある(右)(クリックして拡大)
GPSステレオカメラ 自車位置を測位する高精度GPSアンテナ(左)。長距離ミリ波レーダーとライダーの他、ステレオカメラで前方を監視する(右)(クリックして拡大)

 「自動運転システムの冗長性を確保し、センサーの欠点を補い合うためのレイアウトだが、この組み合わせが正解だといえるわけではない。外装デザインの面でも議論が必要だろう」(ボッシュの説明員)。

 カーブの走行を快適にするため、ステアリングや加減速の制御には高精度地図も使用する。地図情報で進行方向のカーブの曲率を先読みし、横方向のGが一定以上にならないように減速して走行する。カーブは時速80kmまで減速するよう設定しているが、曲率によっては時速80km以下に減速して走行する。

 車載情報機器の画面では、自動運転中のシステムの動作や周辺の車両を検知した結果をドライバーに見せる。自動運転システムが準備中/作動中/停止中であることは色を分けて表示。右左折や直進といったシステムが行おうとしている動作は矢印で示す。ドライバーがステアリングかブレーキを操作すると自動運転は解除される。

 Robert Boschでは日独米で自動運転システムの開発に取り組んでいるが、こうした実験車両の構成は各拠点で共通だ。日独米の開発拠点は、それぞれの地域の道路事情を反映する役割を担う。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       | 次のページへ
ページトップに戻る