テレビ製造における「付加価値」の行方
有機ELテレビの国内向け主力工場となるパナソニックの「モノづくり革新センター」に伺う機会を得ました。MONOistの役割上、工場を取材する機会は多いのですが、個人的には工場取材の中で、テレビは最も取材した経験が多い製品となります。といっても地上デジタル放送完全移行によるバブル崩壊後は、日系企業の家電部門低迷が進み、なかなか取材の機会が得られませんでした。その中での久しぶりのテレビ工場取材でしたので、ワクワクしながら取材にのぞみました。
工場の詳細なレポートについては、以下の記事に譲ります※)が、久しぶりに見慣れた領域の工場を見たことで、国内で工場を維持していくことの難しさや、工場での雇用拡大を進めていく難しさをあらためて痛感しました。
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