ニュース
GaNパワー半導体を搭載したアンプ内蔵サーボモーター:FAニュース
安川電機は、ACサーボドライブの新製品として、GaNパワー半導体を搭載したアンプ内蔵サーボモーター「Σ-7F」モデルを発売した。サーボモーターとサーボパック機能を一体化し、サーボパックのアンプ部の体積比を従来の2分の1に抑えた。
安川電機は2017年5月23日、ACサーボドライブ「Σ-7(シグマ・セブン)」シリーズの新製品として、GaN(窒化ガリウム)パワー半導体を搭載したアンプ内蔵サーボモーター「Σ-7F」モデルを発売した。価格はオープンで、主に搬送装置や食品/包装機械などでの用途を想定している。
Σ-7Fモデルは、高放熱構造によりアンプ部を小型化し、サーボモーターに内蔵。サーボモーターとサーボパック機能を一体化させることで、サーボパックのアンプ部の体積比を従来の2分の1に抑えた。
また、Si半導体に比べて絶縁破壊電界強度や飽和電子移動度が高いとされるGaNパワー半導体を採用。高周波駆動でもアンプ部とモーター部の損失を低減し、入出力効率を高めた。
電源はマルチドロップ接続、指令はオープンフィールドネットワーク「MECHATROLINK-III」によるデージーチェーン接続で、配線スペースを削減している。可聴周波数域を超えた高周波駆動により、サーボモーターから発する高周波騒音を低減した。
直流リンクで複数台を接続できるため、サーボモーターを複数台使用する多軸システムでは、回生エネルギーを他のアンプ内蔵サーボモーターで利用できる。モーター部とアンプ部は保護等級IP67の防水構造を採用し、防水コネクターと組み合わせることで水を扱うような環境でも使用できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 安全柵なしで人と共に作業するロボット、安川電機が発売
安川電機は産業用ロボット「MOTOMAN」シリーズの新製品として、人と共に働く協働ロボットを発売した。 - “安川版インダストリー4.0”を実証へ、埼玉県入間市に新工場を建設
安川電機は、同社が目指す次世代生産システム“安川版インダストリー4.0”を実証する場として、埼玉県入間市のモーションコントロール事業部入間事業所内に新工場「ソリューションファクトリー」を建設する。同工場ではIoTやAI(人工知能)を活用し、生産と製品の両面で新たなモノづくりの形を模索する。 - 「SiC」と「GaN」のデバイス開発競争の行方は?(地域編)
次世代パワー半導体材料であるSiCとGaN。省エネルギーや小型化の切り札とされており、実用化に期待がかかる。現在、開発競争において、どの地域が進んでおり、どの企業に優位性があるのだろうか。それを解き明かすには特許の出願状況を確認、分析することが役立つ。 - PWMを利用したサーボモータ制御プログラミング
PWMを利用したモータ制御の仕上げとして、ロボットの関節などに使われるサーボモータのプログラミングを解説する。 - いまさら聞けない MECHATROLINK入門
スマートファクトリーをはじめとする工場内IoTが注目を集める中、産業用オープンネットワークへの関心は高まってきています。その中でモーション制御領域に強みを持ち「モーションフィールドネットワーク」ともいわれ、アジアを中心に導入が進んでいるのがMECHATROLINKです。本稿ではMECHATROLINKとは何か、どう活用すべきかについて、分かりやすく紹介します。 - 用途に合わせて製造現場を支えるサーボモーター――安川電機
安川電機は、オートメーション技術の展示会「システムコントロールフェア(SCF)2015」(2015年12月2〜4日、東京ビッグサイト)において「BEST VALUE FOR YOUR APPLICATIONS〜これまでの100年、そして未来へ」をテーマに新型のインバータやACサーボドライブなど最新製品をアピールした。