ウエスタンデジタル、コネクテッドカーのデータ量増加に向けたNANDフラッシュ:車載半導体
ウエスタンデジタルは、車載向けのNANDフラッシュメモリの新製品「iNAND 7250A」を発表した。自動運転車やコネクテッドカーで、扱うデータ量が増加し、長期間にわたって適切にデータを保存する重要性が増すことに対応している。
ウエスタンデジタルは2017年5月25日、車載向けのNANDフラッシュメモリの新製品「iNAND 7250A」を発表した。自動運転車やコネクテッドカーで、扱うデータ量が増加し、長期間にわたって適切にデータを保存する重要性が増すことに対応している。既にサンプル出荷を開始した。
同社は、2020年までに自動運転車1台当たりのデータトラフィックが年間280ペタバイト(PB)=2億8000万ギガバイト(GB)まで拡大すると見込んでいる。自車位置の推定に使われる高精度3次元地図、車車間・路車間通信、ソフトウェアの無線アップデート、人工知能などが主なデータ量の増加要因だ。自動運転中に事故が発生した場合に、どのように走行していたかを記録する機能も普及するとしている。
こうした技術動向に対応して、車載グレードの品質と耐久性を満たし、動作温度範囲が−40〜+105℃までカバーする製品を投入する。さまざまな車載システムと連携できるよう設計しており、電源断保護や包括的なメモリ状態ステータスモニター、高度な診断ツールなど、同社が自動車向けに展開するスマート機能も搭載した。
フラッシュメモリの記録方式にSLC(1セル当たり1ビット)ではなくMLC(Multi Level Cell/1セル当たり2ビット)を採用している。専用のNANDフラッシュメモリのコントローラーとファームウェアによって、書き込み回数の増加に対応させた。ビットエラーが多発しても修正する。データ量の増加とコストを勘案してMLCを選択したという。
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