「モデルベース開発奮戦ちう」の痛車がADASテストをシミュレートちう:組み込み開発ニュース
AZAPAは、IHIと共同開発したADAS(先進運転支援システム)のテストケースを2018年内に販売する。「dSPACE Japan User Conference 2017」の展示ブースで披露したデモには、MONOistの連載「モデルベース開発奮戦ちう」の主人公を使った痛車が登場。「シミュレーターの中なら痛車も痛くないし、他車両にぶつかっても痛くない」(AZAPA)なのだとか。
AZAPAは、IHIと共同開発したADAS(先進運転支援システム)のテストケースを2018年内に販売する。2017年6月9日に東京都内で開催された、dSPACE Japanのプライベートイベント「dSPACE Japan User Conference 2017」の展示ブースで披露した。
AZAPAとIHIが共同開発したADASテストケースのデモ画面。車両モデルのテクスチャには、MONOistの連載「モデルベース開発奮戦ちう」の主人公が!「シミュレーターの中なら痛車も痛くないし、他車両にぶつかっても痛くないので、ダブル痛くない」(クリックで拡大)
近年、自動車のさまざまな機能のテストは、モデルベース開発に基づくHILS(Hardware In the Loop Simulator)で行われるようになっている。テストコースを用いた実試験は、最終的な確認作業になりつつある。その一方で、開発した車両モデルを走行させる交通環境モデルについては簡易なものを使うことが多かった。
しかしADASや自動運転技術などの開発が加速する中で、交通環境についても高精度なモデルが求められるようになっている。カメラやミリ波レーダー、ライダーなどで正確にセンシングした上で、さまざまな制御が確実に行われているかをテストするには、市場で実際に発生した交通事故やヒヤリハットの状態を再現した交通環境モデルが必要だ。
AZAPAとIHIが共同開発したテストケースは、IHIがITS(高度道路交通システム)の路側機向けに展開している3次元レーザーレーダーの実測データと、AZAPAの画像解析技術組み合わせて生成したものだ。各種HILS向けのテストケースの販売はAZAPAが行う。さらにAZAPAは、HILSテストの受託も可能だとしている。
展示では、dSPACEのHILSと環境シミュレーター「MotionDesk」を使って、現実に近い交通流におけるADASの機能テストを見せた。「基本的にどのシミュレーターにも対応できるようにしていく」(AZAPA)としている。
関連キーワード
テスト | IHI | シミュレータ | モデルベース開発 | モデルベース開発奮戦ちう | 痛車 | ヒヤリ・ハット | 自動走行車 | 組み込み開発ニュース | 先進運転支援システム(ADAS)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ≫連載「モデルベース開発奮戦ちう」バックナンバー
- ソフトウェア単体から実車まで、テストって本当に大変
京子たち三立精機の制御設計チームは、モデルベース開発を活用して、ついに変速機「CVT∞」の制御ソフトウェアを完成させた。しかし、この制御ソフトウェアがきちんと動くことを確認するためにはテストを行う必要がある。ソフトウェア単体から実車を使ったものまで、さまざまなテストが待ち受けているのだ。 - HILSとは何か
最新の高級自動車は200個ものコンピュータを搭載しているといわれる。ECU(電子制御ユニット)と呼ばれるこのコンピュータが、正しく動作するかどうかを試験するテスト装置として注目を集めているのがHILSだ。本連載では、HILSの導入や、HILSを使ってECUのテストを行うための基本的な知識の提供を目指す。連載第1回は「HILSとは何か」だ。 - HILSの仕組み
車載システムの開発に不可欠なものとなっているHILSについて解説する本連載。今回は、HILSがどのような仕組みで動作しているかについて解説します。また、さまざまな車両の制御システムごとにいかなるHILSシステムがあるのかについても見て行きます。 - HILSを使ってECUをテストする(その1)
車載システムの開発に不可欠なものとなっているHILSについて解説する本連載。今回から、HILSを用いてどのようにECUをテストするかについて説明していきます。まずは手動テストから紹介します。 - 自動運転時代の車載ソフトウェアテスト、“3つの課題”にいかに対応すべきか
日本ナショナルインスツルメンツ(日本NI)は、ユーザーイベント「NIDays2016」で会見を開き、自動運転時代の車載ソフトウェアテストの手法について説明した。