合縁奇縁なIoT、協業で全自動洗濯物折り畳み機が衣類コンシェルジュへ:製造業IoT(2/2 ページ)
セブンドリーマーズは全自動洗濯物折り畳み機の「laundroid 1(ランドロイド ワン)」を発表し、販売予約も開始した。新たに、Cerevoとエアークローゼットの2社の協業を発表、2社との協業の取り組みについて紹介した。
音声認識はこれから必ずフィーバーする――Cerevo 岩佐氏
Cerevoは「1カ国当たり100台、100カ国に売る。100種類の製品を売れば100万台」というビジネス戦略でニッチな家電を開発・投入するメーカーだ。2017年1月にCES 2017で開発中の実機を初公開したデスクライト「Lumigent(ルミジェント)」は、音声認識に対応し、声をかけることでライトのオン・オフや写真撮影、変形などのコントロールができる製品だ。
ルミジェントはAmazonの音声認識技術「Alexa」にも対応する予定だ。今後の製品化に向けてAlexaの搭載を検討している段階だという。会場ではCerevo 代表取締役 岩佐琢磨氏がAlexaのAPIを用いたコンセプトモデルでデモを実施した。
今後は両社で、ルミジェントに話しかけることでランドロイドが操作できる仕組みを検討していくという。「このような連携がどんどんしていけるところがIoTのよいところ」(阪根氏)。
「今後のIoTデバイスの変革としてどのような展開があるだろうか」という阪根氏の問いに対して、岩佐氏は次のように答えた。「2017年後半から2018年前半くらいに“間違いなく”、ネット側にあるコードによる(クラウドベース)の音声認識サービスが“確実に”フィーバーする」と岩佐氏は言う。「少なくともわれわれハードウェアを作っている側には(そのような動向が)見えている。今、いろいろな方が市場にどんどん製品を出してきている。CES 2017でもAlexa対応、あるいは対応予定の家電が数多く展示されていた」。
「音声認識は過去にも幾度か注目されたことはあったが、今回の流れは過去とは違うイメージか」という問いについては、「日本人はモノにしゃべりかけない。相手が無機質で知性がない感じでは、しゃべりかけるのが恥ずかしくなる。例えば、阪根さんと話していても恥ずかしくないのは、相手が知性のある人間だから」と岩佐氏は答える。
しゃべりかける相手の知性の高さがあるラインを超えると「恥ずかしくなくなるのでは」と岩佐氏は説明する。現在の音声認識システムの知性のレベルがそこを超え、Alexaとのやりとりも自然にできるほど高度になってきたといい、「これは過去の流れとはだいぶ違ってくる」と同氏は考える。
2社の協業のきっかけとしては、「もともとお互いのことを知っており、前述のCES 2017でもそれぞれ出展していた。後日、米国サンフランシスコへの出張でたまたま遭遇。われわれの目指しているところと共通項が多かったため、すぐにコラボできないかという話になった」と阪根氏は説明する。両社の開発方針で似ているところとしては、岩佐氏は「“社長のムチャぶり”で突っ走り、それを受け止める人たちがいること」と答えた。
ファッション×ITで紡ぐ新しい体験――エアークローゼット
次に、エアークローゼットの代表取締役CEO 天沼聰氏が登場。同社は「ファッション×IT」をキーワードに、女性が対象のオンラインファッションレンタルサービス「airCloset」(エアークローゼット)を提供する。
同サービスは従来の衣類レンタルサービスのようなフォーマルウェアではなく、日常的に着る普段着を取り扱う。Web上のユーザーページで自分のサイズや好みのスタイルを登録すると、数日後に同社専属のファッションコーディネーターが選んだ衣類が宅配で届く仕組みだ。返却時には選択やクリーニングが不要で、気に入れば買い取りすることも可能だという。「レンタルサービスを始めたかったわけではなく、レンタルという手段で衣服とのワクワクする・感動する出会い体験を提供したいと考えた」(天沼氏)。既存の業界は顧客開拓やブランド認知の手段として活用できるとしている。
現在、ランドロイドとエアークローゼットと連携した「衣類コンシェルジュ」サービスを提供しようと企画を練っているところだという。
会場では連携イメージとして、ランドロイドのアプリで管理された衣類から使用頻度が著しく低い服を選択し、それに合うトップス3点をエアークローゼットにコーディネイトをお願いして送ってもらうというデモを披露した。
その連携を通じて、顧客がどのような衣類を望んでいるのか知ることもでき、コーディネイトに生かすこともできると天沼氏は考えたという。「『これは、組まないとお客さまに失礼だ!』くらいに思うほどの出会いだった」と天沼氏は話す。
「お互いが『連絡したい』と思っていた。2017年に入って少ししてから、スタートアップイベントで初めてあいさつし、即、直近でお会いする約束もした。連携の話はすぐに出て、『このまま企画、進めましょう』というように話が進んだ」(天沼氏)。
「求めるところが共通していて、タイミングもばっちりだった」(阪根氏)。
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