Kickstarterでプロジェクト停止の「Listnr」、Cerevoブランドから発売へ:ベンチャーニュース
家電ベンチャーのCerevo(セレボ)は12月18日、クラウドファンディングサイトKickstarterで目標達成後にプロジェクト停止処分を受けていたリスニングデバイス「Listnr(リスナー)」の開発を引き継ぎ、Cerevoブランドとして発売すると発表した。
家電ベンチャーのCerevo(セレボ)は12月18日、クラウドファンディングサイトKickstarterで目標達成後にプロジェクト停止処分を受けていたリスニングデバイス「Listnr(リスナー)」の開発を引き継ぎ、Cerevoブランドとして発売すると発表した。2016年1月〜9日に米国ラスベガスで開催される「2016 International CES」での展示に向け、現在ティーザーサイトを公開している。
Lstnrは特定の音を認識すると、インターネットに接続された家電やサービスなどを自動で操作できるデバイスだ。2015年1月にベンチャー企業のInterphenomが発表した製品で、音声認識エンジンをパナソニックが提供し、Cerevoが電子回路、組み込みソフトウェア、筐体設計などの開発領域について協力する計画だった(発表時の記事)。
同年1月7日から開発資金の調達に向けて、Kickstarterでクラウドファンディングを実施。300人以上の支援者から、目標の5万ドルを上回る約6万3000ドルを集めたが、同年3月7日にKickstarter側からプロジェクトの停止処分を受けた。処分理由などについては「ポリシーにより回答できない」として一切明かされず、Kickstarterを利用した製品化の道は断念せざるをえなかった。
Cerevoの代表取締役を務める岩佐琢磨氏によれば、Kickstarterでプロジェクトの停止処分を受けたとはいえ目標調達金額をクリアし、多くの指示を得られたことなどを受け、その後関係各社でListnrの製品化に向けた方法について協議を進めていたという。
その結果Cerevoが開発を引き継ぐことになったいきさつについては、「開発を迅速に進めて製品化することを第1に考え、Cerevoがハードウェアの開発から販売までを一貫して行える体制やノウハウを持っていることなどを踏まえてブランドを移管して開発を継続することに決まった」(岩佐氏)としている。
開発を移管した後も、Lisnrtの製品コンセプトやパナソニックとの技術提携といった部分については変わらない。Interphenomはプロジェクト移管に伴い発展的解消となるが、引き続き製品開発には協力する。Lisnrtの価格やより詳しい機能の詳細などについては、今後発表される予定だ。
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