「空飛ぶ乗り物」をMade in Japanで――ヒロボー:オンリーワン技術×MONOist転職(12)(4/4 ページ)
日本の“オンリーワンなモノづくり技術”にフォーカスしていく連載の第12回。今回は、世界シェアトップクラスのラジコンヘリ技術を武器に「1人乗り有人ヘリコプター」という新市場へチャレンジするヒロボーを紹介する。
2016年、この「空飛ぶ乗り物」の未来を切り拓くために同社へ転職してきたのが執行役員副社長の星尚男氏だ。防衛省、日本マイクロソフト、富士通など官庁や大企業を経た星氏は「国産航空機を作りたい」という夢を実現するために同社に入社。自分の夢をかなえ、自分らしく働くために転職するという新しい働き方「セルフターン」を実践した一人だ。現在、無人機の事業化を進めるとともに、これまで培った人脈などを生かして有人機の実現に向けて奔走する毎日を送っているという。
「有人機の開発には資金が必要。まずは無人機を事業化フェーズに持っていき、次の原資を確保しないといけない。また、人を飛ばすというのは航空機の領域になってくるので、実現にはいろんな規制を打破していかないといけない。航空機を設計・製造・整備する航空技術者も不足している。そのような人材を育成するための教育機関の誘致にも尽力している」(星氏)
いま、世間を賑わしている「空飛ぶ乗り物」は、固定ピッチのマルチコプターで、ドローンをそのまま大きくしただけのケースが多い。だが人間が乗るとなると何よりも優先されなければいけないのが「安全性」だろう。自律安定性が高い同軸反転方式や強風に強い可変ピッチ機構といったテクノロジーは、人が安全に空を飛ぶために欠かせない「重要保安部品」になっていく可能性を秘めている。
「人が乗るからには安全が一番重要。法整備も含め越えなければいけない壁は少なくないが、実現すれば自動車が出てきた時の革命に近いものがある。緊急時の災害対応や、血液搬送などドクターヘリに代わるものなど活用の夢は広がる。技術だけではなく、新しい価値を生むことでオンリーワンでありたい」(星氏)
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(取材協力:マイナビ)
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