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設備投資に依存しないモノづくりを研究開発で支援――イデアルスターオンリーワン技術×MONOist転職(11)(1/3 ページ)

日本の“オンリーワンなモノづくり技術”にフォーカスしていく連載の第11回。今回は、“塗る”太陽電池や発電するタイヤなど、先進技術の研究開発で注目を集めるイデアルスターを紹介する。

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イデアルスター(宮城県仙台市)。仙台市内にあるインキュベーション施設にオフィスを構える

設備投資に依存しない産業構造を

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イデアルスター 副社長の表研次氏

 イデアルスターは2002年9月に設立。現在の副社長である表研次氏らが研究開発型ベンチャーとして立ち上げた。表氏はそれまで、大手電機メーカーで携帯電話用液晶ディスプレイ反射板の開発に従事していた。「生産の難しい反射板など作れるのか」という声が周囲から上がる中、入社2年目から反射板の試作ライン立ち上げ、3年目には工場で設計・製造ラインの立ち上げ、4年目には生産技術部に異動し量産製造の製造仕様書をまとめるなど量産製造の立ち上げに尽力。歩留まり改善などを経て2000年に量産ラインを完成させ、それまで年間1億円程度だった工場生産額を数十億円までに拡大する功績を収めていた。

 「当時は日本でもディスプレイ産業が華やかな時期。だが同時期にアルプス電気を辞めた中国の友人は、LCD工場を中国に立ち上げてほぼ同じレベルの製品を10分の1のコストで実現していた。また、共に研究開発していた韓国企業も日本の技術をコピーして価格の安い製品を生産してくる。もはやこの流れは止められなかった。だが私が『このままでは日本のディスプレイ産業の地位が奪われてしまう』と警鐘を鳴らすも、当時は誰も信じなかった」(表氏)

 テクノロジーでは日本が優位で、製造装置も材料も日本の技術なのに最後で負ける大きな要因は“大幅な設備投資がかかる点”であると表氏は分析。「例えば生産するディスプレイサイズを20インチから60インチにするのに、日本だと数百億円の設備投資がかかるが韓国や中国ではその設備投資コストが大幅に安い。つまり“設備投資に依存しないモノづくり”をしないと世界でトップの新産業を日本に創出できないと考えた」(表氏)。

 設備投資に依存しない産業構造をエンジニア視点で考えた表氏は、かつて日本の基幹産業だった繊維産業の技術を生かすことに着目した。「デバイスの分野に編む、織るという概念を持ち込むことで、数百億円の設備投資をしなくても1台の機械でハンカチサイズから60インチまで作れるようにする。そういう産業を日本で興すために、その研究開発を行う会社としてイデアルスターを設立した」(表氏)。

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