連載
「空飛ぶ乗り物」をMade in Japanで――ヒロボー:オンリーワン技術×MONOist転職(12)(3/4 ページ)
日本の“オンリーワンなモノづくり技術”にフォーカスしていく連載の第12回。今回は、世界シェアトップクラスのラジコンヘリ技術を武器に「1人乗り有人ヘリコプター」という新市場へチャレンジするヒロボーを紹介する。
2015年にはデンソーと共同でマルチコプター「HDC01」の開発を開始。見た目はドローンだが、4つのプロペラに可変ピッチ機構を搭載し、ピッチと回転数を各翼独立で制御することで強風下でも高い安定性を持ち、迅速な飛行が行える。この可変ピッチ機構も、同社がラジコンヘリで培った技術を活用している(関連記事「産業用UAVから始まる、デンソーの新たなロボット事業」)。
「ドローンで採用されている固定ピッチは下降操作や上昇気流にとても弱い。可変ピッチは強風の中でもその場に居続けることができる。橋梁の真裏や橋脚、ダム、風車、鉄塔など屋外のインフラ点検で目視の代替手段として利用可能な他、災害時の被害状況調査にも活用できる」(片山氏)
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ヒロボーが開発した産業用UAVの紹介動画
“1人乗りヘリ”という新しい価値の創造
同社のモノづくりの根底には「世界にないものを作っていこう」という考えがある。その思いを具現化したのが、2012年に発表した有人の1人乗り電動ヘリコプター「bit」だ。
「人間1人が自由に空を飛べるハードウェアの最小単位」というのがbitのコンセプトとなっており、同軸反転方式や可変ピッチなど、同社のオンリーワン技術が盛り込まれている。2012年10月に愛知県名古屋市で開催された国際航空宇宙展でお披露目した時には、国内だけでなく海外からも大きな反響があったが、同社では無人機(HX-1/HX-2)の開発・事業化を優先し、有人機(bit)は同社の夢と位置付けていた。
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