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「EtherCAT P」の周辺環境が充実、評価ボードやケーブルなどESEC2017&IoT/M2M展

ベッコフオートメーションは「第20回 組込みシステム開発技術展(ESEC2017)」に出展し、産業用フィールドネットワーク「EtherCAT」の新規格「EtherCAT P」関連製品を出展し注目を集めた。

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 ベッコフオートメーション(以下、ベッコフ)は「第20回 組込みシステム開発技術展(ESEC2017)」(2017年5月10〜12日、東京ビッグサイト)において、産業用フィールドネットワーク「EtherCAT」の新規格「EtherCAT P」関連製品を出展し注目を集めた。

電源と通信を1本のケーブルで結べる「EtherCAT P」

 「EtherCAT P」は、産業用オープンネットワーク「EtherCAT」の新規格で、1本のケーブルで通信だけでなく電源供給も可能としたことが特徴となっている。従来は配線が2系統必要だったが、これを削減することで、省線化が実現でき、コスト削減と設置スペース削減が可能となる。2016年4月に技術仕様書のドラフト版が公開。その後、仕様書の更新作業が進みEtherCAT Pスレーブの種類や機能の定義、物理層の構成、ケーブルやコネクターの技術仕様の概要についての規定も進んできた。

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EtherCATとEtherCAT Pの配線の比較。EtherCATは電源用の配線が必要だが(青丸)、EtherCAT Pは1本の配線で通信と電源をまかなえる(赤丸)(クリックで拡大)

 EtherCATはオープンな規格でEtherCAT Pについても多くの企業が開発を進めているが、ベッコフはこれらのEtherCAT、EtherCAT Pのもともとの開発元企業。今回は「EtherCAT P」の周辺環境の充実について訴えた。

 新たに開発したのがケーブルだ。従来のケーブルでは、ケーブル内で通信と電力を重畳して配信する仕組みだった。これで十分な場合もあるが、制御を受ける機器にとっては、ケーブルが傷つけば通信も電力も絶たれることになり、障害の規模が大きくなる可能性がある。そこでケーブル内で通信と電力を分けて送ることができるケーブルとコネクターを開発した。さらに、伝送距離も延長し従来は75mだったのを100mまで伸ばしたという。ケーブルコネクターのサイズについても今後拡張していくとしている。

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新たに開発したEtherCAT P向けのケーブルとコネクター(クリックで拡大)

 さらに評価ボードなども用意。これは従来のEtherCAT評価用ボードに新たに付加して活用するもので、従来EtherCAT機器の開発を行っていた場合は、追加でEtherCAT P対応のコントローラーボードを購入するだけで開発が可能となる。

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EtherCAT Pの評価ボード(クリックで拡大)

 ベッコフ(日本法人)代表取締役社長の川野俊充氏は「大手の製造業の工場などを想定すると既存設備とのマイグレーションなども考慮した製品ポートフォリオが必要になる。EtherCAT Pに関しても、徐々にそういう周辺の機器や技術などもそろってきており、本格的に活用できるようになってきた」と手応えについて述べている。

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