九州発、IoTを活用したデジタルサービス創出の場を開設:製造マネジメントニュース
富士通九州システムサービスは、社員による共創実践の場「Qube」を開設した。3Dスキャナーや3Dプリンタなどを設置し、社員自身が実際にものづくりに触れながら顧客と「共創」し、IoTなどを活用した新たなサービス創出を目指す。
富士通九州システムサービスは2017年4月17日、社員による共創実践の場「Qube(キューブ)」を福岡市の本社オフィスに開設した。「九州発IoT活用によるデジタルサービス創出」をコンセプトデザインとし、社員が実際にものづくりに触れながら顧客と「共創」することで、付加価値の高いサービス創出を目指す。
Qubeという名称は、IoTを構成する6要素(Sensing/Network/BigData/Analytics/AI/Actuate)を表す「Cube(6面)」と、九州の「キュー(Q)」を組み合わせた。同スペースには、3Dスキャナー、3Dプリンタ、CO2レーザーカッターなどを設置する。社員自身がこれらを活用しながら、顧客と共に、ロボット、IoT(モノのインターネット)やAIなどを融合させた新たなデジタルサービスを発掘し、アイデアを形にしていく。
利用イメージとしては、3Dスキャナー、3Dプリンタと富士通のAI技術(FUJITSU Human Centric AI Zinrai)などを活用した卓上ロボットの制作や、IoTアプリケーションのプロトタイプ制作などを想定している。
また、富士通の事業所である富士通ソリューションスクエア内に設置されている共創実践のための場「FUJITSU Knowledge Integration Base PLY」(PLY)とも連携する。PLYで顧客と創出したアイデアのプロトタイプをQubeで制作したり、Qubeで開発したソリューションをもとにした活用ワークショップをPLYで開催するなど、イノベーション創出の強化とスピードアップを図る。
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