理研のAI研究センターに東芝NEC富士通が参画も「日の丸AIではない」:人工知能ニュース(2/2 ページ)
理化学研究所は、次世代人工知能基盤を開発する「理研革新知能統合研究センター(理研AIP)」の活動に、東芝とNEC、富士通の3社が参画すると発表した。国内大手電機メーカー3社の参画により「日の丸AI」と見る向きもあるが、理研AIPセンター長の杉山将氏は「AI研究にはもはや国境などない」とその見方を否定した。
「3社以外の企業が連携センターに参画する可能性もある」
3社の連携センターの研究課題は重なる部分も多い。例えば、NECの「少量の学習データ高精度を実現する学習技術の高度化」と富士通の「ロバストな機械学習」は、少量のデータや不完全なデータからでも予測が可能になるAI技術を目指している点は同じだ。もし、連携センター間で協力できれば、重複する研究課題の解決を早められるようにも思える。
理研AIPセンター長の杉山氏は「知財などの関係もあり、連携センター間で直接協力して研究課題を解決するのは難しい。しかしAIの基礎的な理論という形になれば、全ての連携センターで共有することも可能になるだろう」とした。
今回の発表では東芝、NEC、富士通が連携センターに参画したが、AI技術で有力な電機メーカーとしては日立製作所などがある。電機業界以外に、トヨタ自動車のようにAI技術の開発に注力している企業も多数ある。杉山氏は「今後、3社以外の企業が連携センターに参画する可能性もある」と語り、理研AIPの活動をさらに拡大させたい意向を示した。
報道陣からは「理研AIPに国内電機大手3社が参画するということは、研究成果は『日の丸AI』になるのか」という質問があったが、杉山氏は「そういった見方はしてほしくない。AI研究にはもはや国境などないし、私個人としては連携センターに海外企業が参画してもいいと考えている」と述べた。
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