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トヨタやファナックも使っている“組み込みAI”が「Pascal」世代に進化:組み込み開発ニュース(2/2 ページ)
NVIDIAは、AI(人工知能)などに用いるGPUコンピューティングが可能な組み込み開発ボードの新製品「Jetson TX2」を発表した。最新のGPUアーキテクチャ「Pascal」の採用により、現行品の「Jetson TX1」と比べて2倍の処理性能もしくは2倍の電力効率を実現している。
開発ボードは599米ドル、量産ボードは399米ドル
Jetson TX2の開発キットは2017年3月14日に米国と欧州で発売する。アジア太平洋地域では同年4月以降の発売となる。価格は、一般向けが599米ドル、教育向けが299米ドル。Jetson TX1の開発キットの価格は、Jetson TX2の投入に対応して一般向けで499米ドルに値下げする。
量産ボードは2017年4〜6月期以降に入手可能になる。価格は1000個以上の購入時で、1個当たり399米ドル。
また、Jetson TX2に併せて、最新のSDK(ソフトウェア開発キット)「JETPACK 3.0」も発表している。
「Jetson TX1」と「JETPACK 3.0」を用いた画像認識のデモ構成は消費電力が10W(左)。「Jetson TX2」と「JETPACK 3.0」の組み合わせであれば、2つのカメラ入力に対して画像認識を行うことが可能。ほぼ2倍分の処理を行っているにもかかわらず、消費電力は12Wで済むという(右)(クリックで拡大) 出典:NVIDIA
“組み込みAI”を掲げて展開してきたJetson TX1だが、ユーザーは着実に増加している。NVIDIA Tegra事業の副社長兼統括マネージャーを務めるディープゥ・タッラ(Deepu Talla)氏は、シスコシステムズ、ファナック、トヨタ自動車のサービスロボット事業などに採用されていることを明らかにした。
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